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インプラントのアバットメントとは?役割と4つの種類ごとの特徴

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インプラントのアバットメントとは?役割と4つの種類ごとの特徴

人工歯根治療を検討されている方に向けて、アバットメントの役割や種類について解説していきます。
インプラント治療について調べると「アバットメント」という単語を目にしますが、利点や役割についてよくわからない方もいるのではないでしょうか?
人工歯根治療を行う前に、部品の役割について知っておきましょう。また種類によって特徴も変わるので、適した部品を選択するためにも、本記事を役立てていただけるはずです。

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アバットメントとは

アバットメントとは、歯茎の中に埋め込まれるインプラント体の上部に取り付けられる部品のことです。
スクリュータイプの場合は、インプラント体の上にアバットメントを装着し、その上に上部構造を設置します[1]。セメントタイプではインプラント体の上に、上部構造と一体化したものを装着する仕組みです[1]。

手術が1回のみとなる一回法では、アバットメントがないタイプの人工歯根もあります。しかし主流となるのは、アバットメントがあるタイプです。
つまりアバットメントとは、歯茎の中に埋め込まれたインプラント体の上に取り付けられ、人工歯を支える役割を果たす部品となります。

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アバットメントの種類

人工歯根治療における部品にはいくつかの種類があり、それぞれで特徴が異なります。4種類の素材について解説しますので、人工歯根治療のための基礎知識として参考にしてください。

種類1:チタン合金

チタン合金は骨と結合しやすいことが特徴です。歯茎に密着しやすいため、インプラントが固定されやすいことが魅力となります。
またさびにくく耐久性が高いことから、人工歯根の寿命を伸ばしたい場合にも適した種類です。

ただし金属なので、もし歯茎が下がってきた場合に、インプラント体が外から見えてしまうことがデメリットとなります。外から見えると、人工歯根のメリットである審美性が損なわれかねません。

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種類2:ジルコニア

次にご紹介するのはジルコニアです。ジルコニアは金属ではなくセラミックであって、天然の歯に近い美しい白さと透明感を持つ素材となります。そのためチタン合金で問題となる、歯茎下がりによる審美性の低下に対処しやすいことが特徴のひとつです。

また天然の歯よりも強度があるとされていて、耐久性にも優れます。金属アレルギーの方にも適する素材です。
しかし硬いことから、噛み合わせに問題があると、天然歯を傷つけてしまうこともあるでしょう。

以上のようにデメリットもありますが、審美性は高いので、見た目にこだわる方におすすめの素材です。

種類3:金合金

金合金とは、金を含む合金で作られたインプラントアバットメントのことです。金は硬度が低いため、人工歯根の素材として適します。歯として適した硬度であるため、適合が高いことが最大の特徴です。

ただし金は価格が高く、治療費用が高額になりがちなことがデメリットとなります。また金色の金属であるため、歯茎が下がったときに、審美性が低下することも問題のひとつです。

金合金はインプラントアバットメントに適した素材ですが、反面、審美性やコスト面でデメリットがあることを知っておいてください。

種類4:プラスチック

最後にご紹介するのはプラスチックです。プラスチックのものは、強度が低いことが最大の特徴です。

その他の金属製の素材とは違い、天然の歯よりも強度が低いため、実用できるほどの強度はないと考えてください。咀嚼による力に耐えるだけの強度がなく、実際の人工歯根治療で用いられることはほとんどありません。
使用されるとすれば、仮歯として使用されるときでしょう。

アバットメントの役割

人工歯根のアバットメントにおける役割は多々あります。これから人工歯根治療を受けたいと思われているなら、役割について把握しておくと、治療計画を理解しやすくなるでしょう。

それでは4つの役割についてご紹介していきます。

役割1:インプラントを目立たなくする

インプラントアバットメントの重要な役割のひとつが、人工歯根を目立たなくすることです。
インプラント体は金属的な銀色をしているため、外から見えると審美性に問題が生じます。しかしアバットメントがあればインプラント体を隠せ、より美しい口元に見せられるようになります。

ただし審美性の問題は、材質によって変わることも事実です。先に解説したように、チタン合金や金合金などの素材では部品が目立ってしまいます。
そのため審美性を重視して選ぶなら、ジルコニアなどの目立たない色味を選ぶことが欠かせません。

役割2:人工歯冠とインプラント体を連結する

機能的な役割であるのが、人工歯冠とインプラント体との連結です。アバットメントはネジ式の構造によって、歯茎に埋め込まれたインプラント体と、歯茎の上に露出する上部構造を連結する役割を担っています。

アバットメントとインプラント体、そして上部構造はスクリューにより固定されるものです。そのためそれぞれは専用器具を用いれば、簡単に取りはずせます。
もし人工歯根治療完了後に、どこかに不具合があったとしても、アバットメントがあるおかげで微調整が可能です。

アバットメントのおかげで、人工歯根に不具合があったとしても、簡単に対処できるようになります。

役割3:傾きを補正する

続いて解説するのは、傾きを補正するための役割です。アバットメントは人工歯根がまっすぐに埋入できない場合、上部構造の傾きを補正する役割も担っています。
人工歯根は必ずまっすぐ埋入されるものではありません。顎の骨の厚みや向きによっては、人工歯根を傾いたまま埋入しなければならないこともあります。しかし歯が傾いていては、咬み合わせなどに支障が生じてしまうものです。

アバットメントの中には最初から傾斜しているものがあり、人工歯根を斜めに埋入した場合に効果を発揮します。埋入の角度と部品自体の傾きを利用すれば、上部構造をまっすぐにすることもできるためです。
傾きを補正してくれる部品があるおかげで、傾斜が必要な場所でも人工歯根を埋入できるようになりました。

役割4:噛み合わせの高さ調整

噛み合わせの高さ調節の役割をするのも役割のひとつです。
インプラント体とアバットメント、そして上部構造は、スクリューによって連結されています。そこでスクリューを利用して、微細な噛み合わせの調整が可能となるのです。

歯肉の厚さなどは人により違い、人工歯根を埋入しただけでは高さが合わないことがあります。細かな噛み合わせの調整ができないためです。
しかしアバットメントがあれば、細かい高さの調整が可能となり、患者様に最適な噛み合わせで人工歯根を完成させられます。

このように人工歯根の傾きを補正するだけでなく、噛み合わせを補正するための役割も持つのです。

役割5:インプラントの強度を高める

最後にご紹介するのは、人工歯根の強度を高めることです。

アバットメントはネジで高さを微調整できるため、咀嚼による歯へのダメージを和らげるために役立ちます。アバットメントには上部構造に加えられる力を、インプラント体に直接的に伝わらないようにする働きがあります。つまり緩衝材の役割を果たし、咀嚼による力を和らげる働きがあるのです。

また人工歯根の角度を調整できることから、上部構造の保護にも役立っています。角度がついたままであれば、咀嚼により無理な力が加わってしまうこともあるでしょう。

しかし部品自体の傾きがインプラントを正しい角度に調整してくれるため、上部構造に加えられる力も和らぎます。
人工歯根全体に伝わる衝撃を和らげることにより、衝撃を緩和し、人工歯根の強度を高めることも役割のひとつです。

アバットメントはどのタイミングで装着する?

人工歯根治療でアバットメントを装着するタイミングとしては、インプラント体を埋入してから3~6か月であることが一般的です。

手術を2回行う「二回法」では、歯肉を切開してインプラント体を埋入してから3~4か月ほどの期間を置きアバットメントを装着します[1]。手術が1回だけである「一回法」では、インプラント体埋入から1か月ほどで装着が可能です[1]。

そのため装着するタイミングは、インプラント手術の術式によります。しかし一回法であれば1か月後、二回法であれば3~4か月後であるのが通常です。

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アバットメントのトラブル

アバットメントはさまざまな点で役立つものですが、装着することによりトラブルが起きる場合もあります。装着によってどのようなトラブルが起こることがあるのか、

トラブル1:噛み合わせの問題

アバットメントの取り付け方によっては、噛み合わせに問題が生じることがあります。たとえば噛み合わせがあっていない状態で、上部構造を装着してしまった場合などです。
噛み合わせが悪くなると咀嚼に支障をきたすだけでなく、発音が悪くなってしまうこともあります。

アバットメントは装着方法次第で噛み合わせを良くすることも可能です。しかし反面、間違った装着をしてしまうと、噛み合わせが悪くなってしまうこともありえます。
もし噛み合わせに問題が生じているようなら、治療を担当した歯科医院に連絡をした上で対応してもらいましょう。

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トラブル2:痛み

インプラントのアバットメント装着によって、痛みが生じることもあります。
痛みの原因は、アバットメントの緩みであることが多いようです。アバットメントが緩むと噛み合わせが悪くなり、顎の骨への負担が増えるため痛みが生じやすくなります。

もし人工歯根で痛みが感じられたら、上部構造やインプラント体が壊れてしまうこともあり得ます。
緩ませられることから微調整が可能とのメリットを持ちますが、緩みがトラブルを引き起こすこともあると知っておいてください。

トラブル3:インプラント体の脱落

装着後の深刻なトラブルとして、埋入したインプラント体の脱落があげられます。
脱落が起きるのは、アバットメントが外れてしまった場合です。

たとえばネジのゆるみや破損、アバットメント自体の破損などにより脱落が起こります。ひとつ前の項目で解説したように、痛みが感じられるとゆるみにより噛み合わせが悪くなっているとも考えられます。
噛み合わせが悪くなると脱落のリスクが高くなるため、すぐに歯科医院を受診しましょう。

人工歯根治療を受けた後に痛みが感じられたり、ぐらつきがある場合には、放置せずにすぐに歯科医院に相談するようにしてください。
すぐに対応すれば、痛みが解消できるとともに人工歯根脱落のリスクも避けられるかもしれません。

アバットメントはインプラントにおいて重要な役割を担う

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、インプラントにおけるアバットメントの役割や種類についてご理解いただけたと思います。
アバットメントは傾きや高さを調整したり、人工歯冠とインプラント体を連結したりなど、重要な役割を担うものです。

[1]竹本和代ほか著. 「良い歯科インプラント治療医」を選ぶ!, 朝日新聞出版 2013年; 38-39

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