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インプラント治療後に注意したい後遺症と後遺症を防ぐ方法

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インプラント治療後に注意したい後遺症と後遺症を防ぐ方法

「インプラントって後遺症があるの?」「後遺症が現れたらどうしよう」などと考えていませんか。手術を伴うため不安を感じている方は多いでしょう。

結論から述べると、インプラント治療後に後遺症が現れることはあります。リスクを遠ざけるため、治療前から対策を講じておくことが重要です。

ここでは、インプラント治療で起こりうる後遺症と後遺症が現れたときの対処法、後遺症を防ぐための対策を解説しています。不安を感じている方は参考にしてください。

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インプラント治療で起こりうる後遺症

インプラント治療には一定のリスクがあります。この点は他の治療と変わりません。

起こりうる後遺症として以下のものがあげられます。

動脈の損傷による出血

インプラント治療では、顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋入します。このときに、動脈を傷つけてしまうことがあります。

下顎は太い動脈(オトガイ下動脈、舌下動脈、舌歯槽動脈)が走行しているため、特に注意が必要といえるでしょう。
誤って動脈を傷つけると、大量出血を起こし、上を向いている患者様が窒息する恐れがあります。

早急に止血処置を行う、医療機関に搬送するなどの対処が必要です。実際に動脈を傷つける可能性は低いですが、それでも注意したいリスクといえます。

神経の損傷による痛みやしびれ

顎の骨にインプラント体を埋入するときに、神経を損傷してしまうこともあります。誤って神経を傷つけると、口の周りに麻痺・しびれなどが生じます。

血管と同じく、下顎には太い神経(下歯槽神経)が通っているため特に注意が必要です。麻痺などが生じると、回復まで長期間を要することやそのまま残ってしまうことがあります。

厚生労働省が発表した資料によると、インプラント埋入手術における下歯槽神経麻痺の発現率は0.13~8.5%です。この中には、一時的な麻痺も含まれると考えられています。
発現率を高く見積もると身近なリスクといえるため、歯科医院選びは慎重に行わなければなりません。

出典:厚生労働省 日本歯科医学会厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療の問題点と課題等 作業班「歯科インプラント治療のための Q&A」

噛み合わせの悪化による頭痛・肩こり

インプラント治療を受けてから、頭痛や肩こりに悩まされることもあります。

一見すると無関係に思えますが、噛み合わせが悪化して、頭痛や肩こりにつながっていることが考えられます。インプラント治療後に現れた場合は注意が必要かもしれません。

噛み合わせが影響している場合は、上部構造を調整すると症状は治まるでしょう。ただし、インプラント体の埋入位置に問題があると、上部構造の調整だけでは対処できません。

インプラント体の除去や再手術を必要とするケースがあります。

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副鼻腔炎

副鼻腔炎もインプラント治療で注意したい後遺症のひとつです。副鼻腔は鼻(鼻腔)の周りに存在する空洞で、副鼻腔炎は副鼻腔で起きた炎症といえるでしょう。

上の奥歯の歯根付近には上顎洞と呼ばれる副鼻腔が存在します。インプラント体が上顎洞内へ突き抜けるなどすると副鼻腔炎(上顎洞炎)を起こすことがあります。

現れやすい症状は、鼻づまり、頭痛、発熱、歯の痛み、歯茎の痛み、頬の痛みなどです。
上顎洞付近の骨は薄くなりやすいと考えられています。精密な検査に基づく治療計画を立てる必要があるといえるでしょう。

インプラントのぐらつきや脱落

インプラント治療後に、インプラントがぐらつくことや脱落することもあります。これらの原因はさまざまです。

例えば、インプラント体の埋入角度、埋入場所が適切ではなかった、ドリルで穴を開けるときに摩擦熱で骨が損傷した、喫煙で血流が悪化したなどが考えられます。あるいは、インプラント周囲炎が進行していることも考えられるでしょう。

インプラント周囲炎は、インプラントの周りで歯周病菌が炎症を起こしている状態です。骨吸収が進むと、ぐらつきなどの症状が現れます。インプラントを取り除かなければならないこともあるため注意が必要です。

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後遺症が残った場合の対処法

インプラント治療では、前述などの後遺症が起こりえます。何かしらの症状が現れた場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

基本の対処法といえるのが、治療を受けた歯科医院へ相談することです。これまでの経緯を把握しているため、スムーズな対処を期待できます。具体的な対処方法はケースで異なりますが、後遺症の内容によっては再治療を受けられるでしょう。保証制度を用意している歯科医院であれば、無料で再治療を受けられることも考えられます。ただし、保証範囲や保証内容などはさまざまです。詳しくは、治療を受けた歯科医院でご確認ください。

客観的な視点からアドバイスを受けたい場合は、セカンドオピニオンを利用することもできます。セカンドオピニオンは、別の歯科医院の歯科医師に意見を求めることです。参考に、セカンドオピニオンの基本的な流れを紹介します。

【セカンドオピニオンの流れ】

  1. 主治医から説明を受けてわからない点を質問する
  2. セカンドオピニオンに対応している歯科医院を見つける
  3. セカンドオピニオンを希望していることを主治医に伝える

インプラント治療でセカンドオピニオンを求める方は少なくありません。言い出しにくいと感じるかもしれませんが、主治医の多くはセカンドオピニオンの必要性を理解しています。主治医に伝えることで、紹介状などを提供してもらえます。

後遺症を防ぐための歯科医院選びのポイント

後遺症を防ぐポイントは歯科医院を慎重に選ぶことです。気を付けたいポイントを紹介します。

ポイント①実績が豊富か

最初に確認したいのが実績です。症例数は歯科医院の信頼性を判断する材料になります。
担当医の実績も確認しておきたいポイントです。歯科医院の実績と担当医の実績は異なることがあります。担当医の経歴もチェックしておくことをおすすめします。

例えば、日本口腔インプラント学会「口腔インプラント専門医」などの認定を受けていれば、一定の専門性を有していると考えられるでしょう。

ポイント②価格が適切か

インプラント治療の価格にも注意が必要です。相場より安すぎる場合は、重要な検査や治療後のメンテナンスなどを実施していない恐れがあります。トラブルに繋がることも考えられるため十分な注意が必要です。

インプラント治療の相場は1本あたり30~40万円程度といえるでしょう。

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ポイント③治療の設備が整っているか

歯科医院の設備もチェックしておかなければなりません。設備が整っていないと、インプラント治療に必要な情報を得られません。

特に、骨の厚み、神経・血管の位置などを3次元で解析する歯科用CTスキャンは重要な設備といえます。治療を受ける前に、必要な設備が整っていることを確認しておきましょう。

インプラント治療は後遺症に注意が必要

ここでは、インプラント治療の後遺症について解説しました。動脈の損傷による出血、神経の損傷による麻痺などが考えられます。後遺症の中には、注意をすることで防げるものがあります。実績・価格・設備などをもとに、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。

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