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せっかく入れたインプラントを除去しなくてはいけない原因とは?
「インプラントの調子が悪い」「除去しなければならないかもしれない」などと悩んでいませんか。高額な費用をかけているため、できれば除去したくないと考える方は多いでしょう。
ここでは、除去を検討する主な理由を解説するとともに除去にかかる費用の目安を紹介しています。
以下の情報を参考にすれば、現在の状況を正確に把握しやすくなるはずです。何かしらのトラブルにお悩みの方は参考にしてください。
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インプラントを除去する理由
インプラントを除去しなければならない主な理由として以下の5つがあげられます。
周辺組織の損傷
インプラント治療で周辺組織を損傷した場合は除去を検討することになります。
代表的な例としてあげられるのが、歯根部と下顎管の距離が近くなってしまうケースや歯根部が下顎管にあたってしまうケースです。
下顎管には下顎神経などが通っているため、これらに該当するとしびれが現れることがあります。
しびれがおさまらない場合は、インプラントが影響している可能性を考えて撤去を検討します。
歯根部が上顎洞を突き抜けたケースも同様です。上顎洞は鼻の周辺にある空洞(副鼻腔)を指します。
上記のケースは上顎洞炎の原因になりえます。上顎洞炎の主な症状は、頭痛、鼻づまり、目の奥の違和感、歯の痛みなどです。
これらの症状が現れている場合も、インプラントの除去を検討しなければなりません。
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インプラントの破損
インプラントが破損した場合も除去を検討します。
ただし、全てのケースで除去が必要になるわけではありません。
インプラントは、顎の骨に埋入する歯根部と土台にあたる支台部、被せものにあたる人工歯で構成されます。支台部や人工歯が破損した場合は、これらを修理・交換することで対処できるケースが多いでしょう。
歯根部が破損した場合は、基本的には除去を検討することになります。
修理・交換が難しいうえ、そのままの状態で放っておくとインプラント周囲炎をはじめとするトラブルの原因になりうるからです。
ただし、歯根部はチタンなどでできているため破損することはほとんどありません。破損の主な原因は、長期間の使用による経年劣化や製造上の問題と考えられています。
細菌感染
細菌感染でインプラントの除去が必要になるケースもあります。
細菌感染は、インプラント手術などで起こりえます。通常の診察室で手術を行うケースや衛生管理を徹底できていないケースはリスクが高くなるため注意が必要です。
細菌感染を起こすと、歯根部と骨が結合しないことや痛み、腫れのほか膿がでることもあります。治療を受ける歯科医院を選ぶときは、環境面や衛生面もチェックしておかなければなりません。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎も、インプラントの除去が必要になる原因のひとつといえます。
インプラント周囲炎は、インプラント周辺で歯周病菌が炎症を起こしている状態です。インプラントは、歯と歯槽骨の間に歯根膜がないため、歯周病菌に感染しやすくなります。
また、インプラント周囲炎は、症状の進行が早く難治性も高いと考えられています。
重度まで進行すると、歯茎が下がって歯根部が露出する、インプラントが不安定になるなどの症状が現れます。
このような状態になると、インプラントを除去しなければならないケースが多いでしょう。
インプラント周囲炎のリスクは、定期的なメンテナンスで抑えられます。ただし、進行するまで自覚症状が現れにくいため、メンテナンスを怠るケースは少なくありません。リスクを正しく理解して、適切に管理することが重要です。
金属アレルギー
金属アレルギーによって、インプラントを除去しなければならないケースもあります。
インプラントには、主にチタンという金属が用いられています。
チタンは、人工関節などにも用いられている安全性の高い金属です。トラブルを起こしにくい素材ですが、ごく稀に金属アレルギーを発症する方がいます。
金属アレルギーを発症すると、アレルギー性口内炎、扁平苔癬などの症状が現れます。インプラントは身体にとどまり続けるため、このようなケースでは除去が必要です。
金属アレルギーがある方や術後の金属アレルギーが心配な方は、ジルコニアを用いたインプラントを検討するとよいかもしれません。
ただし、顎の骨に負担をかけやすいなどのデメリットがあります。特徴を理解したうえで、治療法を選択しましょう。
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インプラントの除去にかかる費用
インプラントの除去にかかる費用は、保険が適用されるケースと適用されないケースで異なります。費用の目安は次の通りです。
保険診療が適用される場合
保険診療で算定できる点数は、インプラントのタイプで異なります。
現在主流となっている人工歯根タイプであれば、1本あたり460点を算定できます。
1点単価は10円であるため、除去にかかる金額は1本あたり4,600円になります。
自己負担割合が3割であれば、除去にかかる費用は1本あたり1,500円程度といえるでしょう。
除去で骨を削った場合は50%が加算されます。つまり、骨を削って人工歯根タイプのインプラントを1本除去すると、自己負担額は2,070円((460点+230点)×10円×30%)になります。
保険適用の条件は、インプラント治療を受けた歯科医院とは別の歯科医院で治療を受けることです。また、除去前にレントゲン写真を撮影すること、歯科医師から除去が必要と認められることも求められます。まずは、別の歯科医院で相談するとよいでしょう。
保険診療が適用されない場合
インプラント治療を受けた歯科医院で除去すると保険を適用できません。
自由診療になるため、除去にかかる費用はケースで異なります。
基本的には保険診療よりも高額になると考えられますが、保証制度を設けている歯科医院であれば無料で除去できることもあります。
保証の内容や保証の条件は、治療を受けた歯科医院でご確認ください。
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この記事では、インプラントを除去しなければならない理由について解説しました。
主な理由として、周辺組織の損傷、インプラントの破損、細菌感染などがあげられます。除去にかかる費用は、1本あたり1,500円程度が目安です(保険適用の場合)。
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