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インビザラインが浮く理由とは?改善方法や歯科医に相談すべきケースを解説

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インビザラインとは、マウスピースを用いた歯列矯正治療の一つです。

ワイヤーで固定する必要がないので比較的手軽に始められる歯列矯正の一つですが、「浮く」というトラブルが発生するケースがあります。

本記事ではインビザラインが浮いてしまうケースと改善方法、原因となることを解説していきます。

また過去にマウスピースが浮いてしまい治療をあきらめた、という方も、参考にしてくださいね。

インビザラインとは

インビザラインとは、マウスピースを用いた歯列矯正治療の一つ

インビザラインはテクノロジーシステムを利用した、マウスピース矯正の一つです。最新の3Dシステムを用いて治療計画をシミュレーションしていくことで、理想的な歯並びに近づけます。

アメリカのアライン社で独自に開発された、3D治療計画システムを利用した治療方法で、歯列矯正の経過や矯正後の状態を3Dでシミュレーションします。このシステムによって、患者と治療経過のイメージをすり合わせていくことが可能です。

マウスピースは2週間ごとで交換するため、2週間おきに歯科医が患者の口の状態を把握できます。万が一口の中の状態に問題があった場合も、そこで別の歯科治療を挟んだり、治療計画を練りなおしたりと、早期のうちに対処することができます。

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インビザラインの浮きは改善できるの?

インビザラインが浮くのは事例として起こりうるものの、インビザライン治療自体の質が悪いというわけでは決してありません。

本来インビザラインは、予定していた治療計画通りに進んでいる場合、マウスピースが浮くことはありません。

しかし実際には、マウスピースが浮いてしまったという事例も実際多く見られます。インビザラインが浮いた場合には、状況に合わせて正しく対処していけば問題ありません。

インビザライン治療のマウスピースが浮いてしまうのには、さまざまな要因があるものの、自分で改善できるケースと、歯科医師に相談して改善すべきケースに分けられます。

なお自分で改善できるケースの場合でも、痛みが強すぎる場合や、数日たっても状態が変わらない場合はすぐに歯科医師へ相談してください。またインビザラインの浮きを改善せずに放置すると、すでに動いた歯まで以前の位置に後戻りしてしまう可能性があるので、歯列矯正治療の予後を考えた場合にも早期の対応が重要です。

インビザラインが浮いても自分で改善できるケース

インビザラインが浮いても自分で改善できるケース

まずはインビザラインが浮いても自分で改善できるケースについて紹介します。

繰り返しになりますが、上記の3つに当てはまる場合でも、基本的に強い痛みを伴っている場合は速やかに受診をする必要があると考えてください。判断に迷う場合は医師の診察を受けることをおすすめします。以下のケースに当てはまり、痛みがない場合や痛さが改善する場合のみ、自分で改善できる可能性があります。

  • マウスピースを交換した直後
  • 取りはずすことが多く、装着時間が短い場合
  • マウスピースがしっかりとはまっていない場合

それぞれの詳細は以下のとおりです。

マウスピースを交換した直後

インビザラインのマウスピースは2週間に1回のペースで交換します。マウスピースを交換した直後はまだ歯が動いていないので、作ったマウスピースに違和感が生じる場合があるでしょう。そのため、1~2mm程度浮くのは許容範囲と考えて様子をみてください。

きちんと装着できていれば歯がマウスピースの形状になじんでいくため、数日で改善していくはずです。

また、マウスピースを交換した直後は、そもそも新しい形状のマウスピースを口にいれるため、口の中に違和感があるケースも少なくありません。そのため、実際には浮いていなくても、浮いているように感じる方もいることを念頭に置いておきましょう。

もしマウスピースを交換して1週間ほど経っても違和感があったり、1mm以上浮いていたりする場合には歯科医へ相談してください。

取りはずすことが多く、装着時間が短い場合

インビザライン治療におけるマウスピースは、そもそも1日20〜22時間以上装着している必要があります。装着時間を守らない日が続いてしまうと、歯が治療計画通りに動きません。

またマウスピースを取りはずすことが多いと、マウスピースの縁が広がってしまい、歯を矯正してくれる効果が弱くなってしまいます。

歯科医の指示として、取り外し過ぎないよう指導があるはずです。医師の指示を守って20時間以上の装着を守りましょう。

何度も取りはずしてしまうと、治療が計画通りに進まないだけではなく、矯正中や矯正後に「後戻り」という弊害が起きることがあります。これは強正前の歯の位置に戻ってしまうことを指しています。

せっかく頑張って歯並びをきれいにしたのに、矯正した歯が元の位置に戻ってしまっては本末転倒ですよね。

マウスピースがしっかりとはまっていない場合

マウスピースがしっかりとはまっていない場合も考えられます。その場合には「チューイー」というものを装着すると良いでしょう。

チューイーとは、シリコン製で弾力がある円柱の棒のようなもので、マウスピースを適切な位置にはめるための補助道具です。大きさとしては、人差し指大くらいのサイズです。

チューイーの使い方は下記の手順になります。

  1. マウスピースを上下の歯に装着
  2. チューイーを1つ口に入れる
  3. 左右それぞれの奥歯でしっかりとチューイーを噛んでマウスピースを歯に押し込んでいく
  4. 前歯も奥歯も同様にしっかりと噛む

注意点としてマウスピースと歯がずれたままチューイーを噛むと、マウスピースが歪んだり、破損したりする場合があります。そのため、装着する際は鏡を見ながらマウスピースと歯の位置があっているか確認しましょう。

使い方自体は非常にシンプルなので、チューイーをぜひ利用してみてください。

歯科医師の診察を受けるべきケース

歯科医師の診察を受けるべきケース

ここまで紹介した3つのケースに当てはまらなければ、原則は歯科医の診察を受けましょう。

続いて下記の3つのケースを紹介します。

  • 実際の歯の動きが治療計画とずれている
  • マウスピースが歪んでいる
  • そもそもインビザラインに適していない

それぞれ状況と理由と合わせて解説していきます。

実際の歯の動きが治療計画とずれている

治療計画とずれているというのは、歯が予測していた治療イメージとは違う方向へ移動している状態を指します。こういったケースでは、歯科医師の診察を受けた上で対策を行う必要があります。

まず日常生活面では、マウスピース以外の圧力がかからないようにすることが重要です。具体的には、頬づえや歯ぎしり、食いしばりなどに気を付ける必要があるでしょう。

治療としては、ひとつ前のマウスピースに戻して治療計画に近づける、嚙み合わせ調整のためのゴムを付ける、顎幅を拡大するための拡大床を付けるといった対策がとられます。

またこれらの対応を行っているにも関わらず治療計画とずれているならば、既についているゴムや拡大床が合っていないケースも考えられます。その他マウスピースがしっかりとはまっていない状態が慢性化している方も、歯の動きが治療計画とずれていく可能性があります。

いずれにせよ、少しでも違和感があったら早めに受診してください。

マウスピースが歪んでいる

歯ぎしりや食いしばり、熱、取り外しの際につくマウスピースの損傷などが原因で、マウスピースが歪んでしまうケースもあります。マウスピースが歪んでいると、歯と合わなくなり浮きが生じます。

このケースでは、歯科を受診し、新たにマウスピースを作ってもらいましょう。またマウスピースが歪む要因にも注目し、その点も歯科医に相談して対策を考えていく必要があります。

例えば、歯ぎしりや食いしばりを日常的にしてしまうという方は、改善策を考えていく必要があります。新しいマウスピースを作成しても、歯ぎしりや食いしばりをする状況が変わらなければ、また同様にマウスピースが歪んでしまうからです。

取り外しの際の傷が原因で歪んでしまっている場合は、取り外しの回数がそもそも多かったり、無理矢理に取り外していたりする場合も考えられます。歯科医に相談する際は、要因も含めて相談すると良いでしょう。

そもそもインビザラインに適していない

最初からマウスピースが合っていない場合は、現状の歯並びがそもそもインビザラインに適していない可能性も考えられます。インビザライン治療は顎の骨の大きさと歯の大きさのバランスが適していないと、治療が難しい場合があります。顎と歯の大きさのバランスが合っていない場合には、インビザラインではなく抜歯ありのワイヤー治療がおすすめです。

骨格的な部分に起因した受け口などで悩む方もインビザラインではなく外科治療を優先させる必要があります。

歯科医師と治療方法を相談のうえ、治療計画を立て直す必要があるでしょう。

症状別・インビザラインが浮いてしまう原因一覧

最後に、症状別にインビザラインが浮いてしまう原因を一覧表で紹介します。

インビザラインの浮きで悩む方は、紹介した中で当てはまるものがあるか見てみてください。

部位 症状
前歯の縁や八重歯
  • マウスピースの取りはずしの多さや装着時間を守らなかったことから、マウスピースが歪んでしまったり合わなくなったりしまいます
  • マウスピースを交換したばかりでなじんでいないケースも考えられます
  • 実際の歯の動きが治療計画とずれていることから、部分によって浮きが生じたり、場合によっては痛みが生じたりします
前歯全体
  • マウスピースの取りはずしの多さや装着時間を守らなかったことから、マウスピースが歪んでしまったり合わなくなったりしまいます
  • マウスピースを交換したばかりでなじんでいない場合もこのケースでは当てはまります
  • マウスピースがしっかりとはまっていないケースも考えられるため、チューイーの使用も良いでしょう
奥歯部分
  • マウスピースがしっかりとはまっていない場合が考えられます。奥歯の高さが低い場合、マウスピースがひっかかりのないためにうまく嵌らず浮いてしまうケースがあります
  • マウスピースの取りはずしの回数が多く、マウスピースが歪んでしまい合わなくなった
1歯分のみ
  • 実際の歯の動きが治療計画とずれているため1歯分だけうまく動いてくれず、1歯分浮く場合があります

インビザラインの浮きが気になる場合は、
歯科医師に相談をしましょう

インビザラインのマウスピースが浮いてしまった場合、自分で改善できるケースはあるものの、痛みが強い場合や長期間続く場合、気になる場合は歯科医師に相談するようにしましょう。適切な治療のためには、浮きを放置せずに極力早く改善することが重要です。

あきもと歯科では認定医によるインビザライン治療を行っています。

またあきもと歯科では多数の治療実績を持つ医師によるカウンセリングも行っているので、過去にマウスピースが浮いてしまって矯正をあきらめた方や、どのような矯正を行うのか悩んでいる方は、ぜひ気軽にご相談ください。

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