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奥歯のインプラントが難しい理由は?メリット・デメリットも紹介
インプラント治療の中でも、奥歯の手術は難しいとよく言われます。
奥歯の手術では、医師が作業できるスペースが狭く、噛む力が強いため、噛み合わせの繊細な調整が必要です。このように「奥歯だからこその難しさ」があるのです。
今回の記事では、奥歯のインプラント治療を検討している方に向け、奥歯のインプラント治療が難しいとされる理由、メリット・デメリット、奥歯のインプラント治療における注意点を紹介します。
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目次
奥歯のインプラント治療は難しいのか?
奥歯にインプラント治療を施す場合、前歯などと比べて難しいと言われていますが、一概には言えません。
事実、奥歯のインプラント治療では、噛む力が強い部分であるため、強度の確かなインプラントの設置が求められます。また、口の中の奥まった部分での手術となるため、精密な作業が難しいという問題もあります。
さらに、上顎側に施術する場合は「上顎洞」と呼ばれる空洞を避け、下顎側の場合は神経を避けてインプラントを埋め込む技術も必要とされます。
こういった点から「奥歯のインプラント治療は難しい」と思われがちで、消極的になる患者の方も少なくありません。
しかし、奥歯以外の歯でもそれぞれの箇所特有の課題があり、それぞれに対応する技術が必要であり、「奥歯以外なら簡単」「奥歯だけが特別難しい」というわけではありません。
奥歯のインプラント治療が難しいとされる理由
ここでは、奥歯のインプラント治療に関する課題や、難しいとされる理由について解説します。
奥歯のインプラント治療が難しいとされる理由は、主に以下の4点です。
理由①噛み合わせの調整が難しいため
奥歯には食べ物をしっかり噛み砕いて嚥下をサポートする役割があり、歯の中でも咀嚼時に強い力がかかる部位です。
奥歯の噛み合わせが不適切であるということは、食べ物を噛むたびに大きな力が崩れたバランスで歯に生じてしまいます。
この状態が続くと、歯や歯茎に大きな負担がかかり、インプラントの耐久性も低下する恐れがあります。
さらに、インプラントによって噛み合わせが悪化した場合、特に問題のなかった隣接する歯にも負担をかける恐れがあります。
そのため、奥歯のインプラント治療では、奥歯全体で調和するような噛み合わせの調整が求められます。
この噛み合わせの調整が、奥歯のインプラント治療を難しくしている主な理由の一つです。
理由②開口量が小さくスペースが不足するため
歯付近は基本的に狭く、手術器具が入りにくいため、歯科医師が作業するための十分なスペースが確保しにくいという問題があります。
これはインプラント治療に限らず、奥歯関連の治療や施術の多くで共通して発生する問題です。
また、奥歯の治療では、患者の方に口を大きく開けてもらい施術を行います。
開口を補助する器具もありますが、顎や筋肉に負担がかかり、大きく口を開け続けるのが難しい方や、体質などの理由で開口量が制限される方もいます。
患者の方の体質や体格が治療環境に直接影響する点も、奥歯のインプラント治療を難しくする理由です。
理由③上の奥歯の場合、上顎洞との距離が短いため
人体の鼻のすぐ下には、「上顎洞(サイナス)」と呼ばれる空洞が存在します。
上顎側の奥歯にインプラント治療をする際、骨が薄い場合などは、インプラントがこの空洞に近すぎてしまったり、突き抜けてしまったりするリスクを抱えています。
上顎洞(サイナス)は副鼻腔とも呼ばれる箇所で、インプラントが突き抜けてしまったりすると、蓄膿症のような病気を発症するリスクがあるほか、摘出のための手術が必要になります。
こういった事態を防ぐためにも、骨が薄い患者の方の場合、インプラント体を埋める手術の前に骨を増やす手術を行うことがあります。
上顎洞との兼ね合いが求められる点は、奥歯のインプラント治療ならではの課題でしょう。
理由④下歯槽神経に干渉する恐れがあるため
下顎の奥歯にインプラントを埋め込む場合、下顎内を走る下歯槽神経への注意が必要です。
インプラントが下歯槽神経に近すぎると、しびれや痛み、感覚の喪失などの神経障害を引き起こす可能性があるからです。
手術の前にCTスキャンなどで神経の位置を正確に把握しておく必要がありますが、このとき、神経の位置が高く、インプラントとの安全な距離を確保するのが難しい患者の方もいます。
インプラントの角度を調整する、ショートインプラントを使用するなど、技術と判断が求められるため、奥歯のインプラント治療が難しいと言われる理由の一つとなっています。
奥歯のインプラント治療を受けるメリット
難しいと言われがちな奥歯のインプラント治療ですが、奥歯にインプラント治療を行うことで得られるメリットも多くあります。
奥歯のインプラント治療を受けて得られるメリットは、主に以下の4つです。
メリット①天然歯と同じように噛める
インプラントは顎の骨にしっかりと固定され、咬合力を支えるため、天然歯に近い感覚で食事ができます。
特に奥歯は咀嚼の際に大きな力がかかる部位であるため、強度や安定性に優れているインプラントのメリットを活かせる部位でもあります。
食べ物をしっかり噛めるため、消化や栄養の吸収が向上します。
奥歯のインプラント治療は、食事による健康管理にも大きな貢献をするでしょう。
メリット②噛み合わせのバランスが整う
奥歯を失ってしまった場合、噛み合わせのバランスが崩れ、残っている歯に過度な負担がかかることがあります。
一部の歯に過度な負担がかかってしまうと、その歯が摩耗したりぐらついたり、根元で歯周病が発生してしまう可能性が高くなります。
失ってしまった箇所にインプラントを埋め込むことで、噛み合わせのバランスが正され、噛むときに生まれる力が奥歯全体に均等に行き渡ることになります。
一部の歯への過度な負担や、噛み合わせのバランスが崩れたことによる咀嚼不足などを防ぐことができます。
メリット③顎の骨の吸収を防ぐ
歯が抜けると、その部分の顎の骨は刺激を失い、時間とともに吸収されて痩せてしまいます。
インプラントは人工歯根として顎の骨に直接固定されるため、骨に適切な力が伝わり、骨の吸収を防ぐことができます。
顎の骨が保持されることで、顔の形が保てます。
逆に、顎の骨が吸収され痩せてしまうと、フェイスラインが崩れたり、顔がたるんだり、予期せぬ変化が訪れてしまう可能性があります。
メリット④周囲の歯を傷つけずに済む
従来のブリッジ治療では、欠損した歯に隣接する健康な歯を削って支台として使う必要がありました。
しかし、インプラントは単独で機能するため、周囲の天然歯を削る必要がありません。
隣接する健康な歯の保護にもつながるため、長期的な口腔の健康を維持できるでしょう。
奥歯のインプラント治療を受けるデメリット
メリットの多い奥歯のインプラント治療ですが、奥歯の治療だからこそ発生するデメリットもいくつかあります。
デメリット①治療にかかる期間が長い
インプラント治療では、インプラントと骨がきちんと結合するのを待つため、ブリッジや入れ歯の治療に比べて治療にかかる期間が長くなることが一般的です。
通常3~6か月ほどかかることが多いですが、奥歯のインプラント治療では骨移植手術が必要となる場合もあり、ケースによっては1年近くの治療期間が必要になることもあります。
デメリット②治療費が高くなる
インプラント治療では、インプラントの素材や精密な手術、事前の緻密な診療が必要になるほか、インプラントの上に装着する人工歯など治療に含まれる要素が多く、そのため、費用総額が高くなりやすい傾向があります。
特に奥歯の場合、骨造成などの追加処置が必要になることがあるため、費用がかさんでしまう傾向があります。
また、インプラント治療は基本的に保険適用外の治療です。
全額自己負担になるため、保険適用の治療と比べると治療費が高くなってしまう点は、インプラント治療のデメリットです。
デメリット③骨の状態が悪い場合は骨造成が必要になる
「歯を失って長期間経過している」などの理由から顎の骨が十分な量と質を持っていない場合、奥歯のインプラント治療では、インプラントをしっかり固定するために、骨移植やサイナスリフトなどと呼ばれる「骨造成」の施術を行ってから治療に入るケースがあります。
また、上顎の奥歯にインプラントを埋め込む場合、骨の高さが不足しているときにも骨造成の措置が求められます。
追加の手術ですので、治療期間、治療費用がともに増えますし、骨造成手術自体にも、いくつかのリスクが伴います。
骨造成が必要になるか懸念しなければならない点や、実際に骨造成が必要になった際に発生する負担は、奥歯のインプラント治療のデメリットの一つとなっています。
奥歯のインプラント治療を受ける際の注意点
奥歯のインプラント治療を受ける際には、いくつかの重要な注意点があります。
まず、事前の診断と慎重な治療計画が非常に重要です。
骨の状態や噛み合わせを正確に評価するため、CTスキャンやレントゲンを用いて精密に診断することが必要です。
診断の結果、顎の骨が十分でないと判断された場合、骨移植やサイナスリフトといった骨造成手術から行うことになります。
骨造成手術によって治療期間が大きく延びる可能性があるため、インプラント治療の計画を事前にしっかり確認することが大切です。
次に、治療期間が長くなる点にも注意しましょう。
歯のどの箇所でも、インプラントが骨に定着するまでには数か月かかります。
即効性がない治療である点には、あらかじめ注意が必要です。
また、治療費用が高額になる点にも注意が必要です。
インプラント治療は基本的に保険適用されず、全額自己負担での治療になります。
奥歯のインプラント治療の場合、骨造成などの追加処置が必要になる可能性があり、さらにコストがかさむことがあります。
施術に入る前に歯科医と治療費について十分に相談し、計画的な予算を立てましょう。
インプラント治療では、治療後のメンテナンスも不可欠です。
歯垢が原因で歯周病と似た病気を発症することがありますので、天然歯と同様、ブラッシングやフロスによるセルフケアが欠かせません。
加齢によって顎骨に変化が生じた場合なども、適宜調整を行うため、定期的に歯科医院に通う必要があります。
施術が完了するまで、そして施術完了後もケアや経過観察が必要な長期的な治療であることを、あらかじめ理解しておくことが大切です。
奥歯のインプラント治療は実績のある歯科医院で
奥歯のインプラントは、噛み合わせの繊細な調整、開口量などによるスペースの制約、上顎洞や神経の位置との兼ね合いなどの課題があり、精密な事前診断と高度な技術が求められる治療です。
治療期間が長いこと、保険が適用されないこと、骨の状態が悪い場合に追加処置が必要になることなどのデメリットもあります。
しかし、奥歯にインプラント治療をすることで天然歯に近い機能が得られること、顎骨の健康を維持できること、周囲の歯を守ることなど、様々なメリットがあります。
奥歯のインプラントは複雑な処置になりますので、施術を検討している場合は、実績が豊富な歯科医院での治療をおすすめします。
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