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インプラント治療のやり直しはできる?必要なケースやできない人の特徴と費用を解説

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インプラント治療のやり直しはできる?必要なケースやできない人の特徴と費用を解説

インプラント治療の経験のある人で、治療後に何らかの症状が出たり、不具合が出たりしたことのある人もいるかもしれません。そのまま放置してしまうとさまざまな歯のトラブルに発展してしまうリスクがあるため、速やかに歯科医師に相談を行い、やり直しを検討する必要があるでしょう。

今回は、インプラント治療のやり直しの可否ややり直しが必要になるケース、やり直しができない人の特徴を解説します。インプラント治療に失敗しないために押さえておくべきポイントも紹介しているため、合わせて参考にしてください。

インプラント治療のやり直しは可能

骨や口内の状態にもよりますが、一度インプラント治療を行った場合でも、やり直しは多くの場合可能です。基本的にはインプラントの寿命を迎えるまでは使用し続けられるものですが、人によってはインプラント治療後に不具合が起きたり、違和感を覚えたりするケースもあります。

インプラントに不具合がある状態でインプラントを放置してしまうと、さまざまなリスクがあるため、再治療を検討した方が良いでしょう。またインプラント治療のやり直しが必要な原因は、歯科医師側にある場合と患者側にある場合があり、どちらにあるかは、インプラントの状態を確認してから判断します。まずは治療を受けた歯科医院または違う歯科医院への相談をおすすめします。

インプラント治療のやり直しが必要となる5つのケース

インプラント治療のやり直しが必要なケースには、以下の5つが挙げられます。

  • 治療後に痛みが引かない場合
  • 治療後にしびれや麻痺が治まらない場合
  • インプラントに被せている人工歯に不具合が起こった場合
  • インプラント周囲炎が起きている場合
  • 埋入したインプラントがぐらつく場合

どれか1つでも当てはまっていれば、インプラント治療のやり直しを検討した方が良いかもしれません。それぞれのケースを具体的に確認していきましょう。

治療後に痛みが引かない場合

インプラントの治療の際は、患者さんに痛みを感じさせないため、麻酔を使用することが一般的です。麻酔が効いている間は痛みを感じないかもしれませんが、麻酔が切れた後は、強い痛みや腫れが出る場合があります。その場合は処方してもらった痛み止めを服用していれば、腫れは残っていたとしても数日間 で痛みは和らぐケースが多いです。

しかし痛み止めを服用しても長期的に痛みが消えない場合は、インプラント治療がうまくいっていない可能性があるため注意が必要です。例えば、以下のような可能性が考えられます。

  • インプラントの治療時に歯の周りにある神経に傷がついている
  • インプラントを埋めた場所が炎症を起こしている
  • インプラントが隣接する歯の神経を刺激してしまっている

上記のようなケースも考えられるため、治療後1〜2週間 経過しても腫れや痛みが引かない場合は、再度治療を受けた歯科医院に相談にいきましょう。

治療後にしびれや麻痺が治まらない場合

インプラントの治療後は、痛みや腫れ以外に下唇や舌などのしびれや麻痺が治まらないケースもまれにあります。原因としては、インプラント治療をした際に神経の損傷や圧迫が起こっている可能性が考えられるでしょう。

基本的にはCT検査を行い、3次元的に歯の状態や動脈、神経の位置を確認した上で治療を行うため、しびれや麻痺などは起こりづらいとされています。しかし治療後数日間で症状が収まらない場合は、神経の修復治療などを行わなければいけない場合もあるため、再度歯科医院で診てもらいましょう。

インプラントに被せている人工歯に不具合が起こった場合

インプラント手術では、骨に埋入したインプラントの上に人工歯を取り付けますが、その人工歯が外れてしまったり、破損したりしてしまうケースもあります。その場合は再度インプラント治療のやり直しを行う必要があるでしょう。不具合が起こる原因は人によってさまざまですが、日頃のメンテナンス不足や人工歯に過度な力が加わってしまうことが挙げられます。

もし不具合が起きたままにしておくと、噛み合わせが悪くなり、肩こりや頭痛などの別の症状にまで発展してしまうリスクもあるため、早めの再治療が必要です。

インプラント周囲炎が起きている場合

インプラントを埋め込んだ後に周囲の歯茎に炎症が起こるケースがあり、これをインプラント周囲炎といいます。インプラント周囲炎は、初期の段階ではあまり判断できず、歯茎の腫れや赤みがみられるなどの歯周病の初期症状と似ています。しかし、歯周病よりも進行が早く、そのまま放置してしまうと歯を支える歯槽骨にまで炎症が広がり、重症化してしまうリスクもあるため注意が必要です。

インプラント周囲炎は、治療後のメンテナンス不足や生活習慣、歯ぎしりなどが原因とされています。そのため普段からその点に注意しつつ、プラークや歯石、歯茎の腫れや出血などの歯周病と似た症状がある場合は、そのまま放置せずに再度治療をしてもらいましょう。

埋入したインプラントがぐらつく場合

埋入したインプラントがぐらつく場合は、噛み合わせなども悪いことが考えられるため、インプラント治療のやり直しが必要となるでしょう。インプラントのぐらつきには以下のような原因が考えられます。

  • インプラントとの骨結合がうまくいっていない
  • インプラント治療前の診断や検査が不十分であった可能性がある
  • インプラントの周囲の骨が細菌感染を起こし溶けてしまっている

インプラントを骨に埋め込んだ後は数カ月間にわたり徐々に結合していきますが、まれにこの結合がうまくいかないケースもあります。さらに、本来では治療を受けられない健康状態にあるにもかかわらず、治療前に適切な診断や検査が行われずにそのまま治療を受けてしまった場合もあるでしょう。また前述したインプラント周囲炎を起こしている場合は、細菌感染を起こして歯茎が溶けてしまい、インプラントがぐらついてしまいます。

インプラント治療のやり直しができない人の特徴

これまで紹介したインプラント治療のやり直しが必要なケースでも、再治療が行えない可能性のある人の特徴を解説します。もしインプラント治療のやり直しを検討している人でこれから紹介する特徴に当てはまっている人は、違う方法での治療を考える必要があるでしょう。

喫煙量が多い人

喫煙者で、特に喫煙量が多い人はインプラント治療のやり直しを医師から断られる可能性があります。理由は以下の通りです。

  • インプラントと骨がうまく結合されない可能性がある
  • インプラント周囲炎のリスクが高まる
  • 治療後の傷が治りにくい可能性がある

喫煙量が多い人は上記のようなリスクが伴うため、医師側が許諾を行わないケースがあります。軽度の喫煙者の場合はインプラント治療を許諾してもらえる可能性はありますが、禁煙期間が設けられることが一般的です。

また近年使用が増えている加熱式のタバコであれば問題ないと考えている人もいるかもしれませんが、紙のタバコと同様のリスクがあるとされているため、注意が必要です。これは日本口腔インプラント学会の声明でも注意喚起されています。

※参考:公益社団法人 日本口腔インプラント学会.「新型タバコ、特に加熱式タバコに関する注意喚起」.
https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/02/202202_tabaco.pdf ,(参照 2024-08-09).

あごの骨量が少ない人

インプラント治療を行う際は、インプラントを支えるための骨が必要です。しかし、その骨の量が少ない人の場合はインプラントを埋入したとしても、うまく骨と結合せずに支えられないリスクが伴うため、治療を行えないでしょう。

その場合は、骨を再生させる治療や人工の骨を移植する手術などを行ってからインプラントを入れる方法もありますが、身体的かつ金銭的にも負担が大きくなる点に注意が必要です。また、あごの骨量が少ない人の場合でも、オールオン4と呼ばれる4本のインプラントだけで複数本の歯を支える治療法 もあるため、医師との相談の元で検討してみましょう。

健康状態に問題のある人

健康状態に問題がある人もインプラント治療のやり直しができない可能性が高いです。具体的には以下のような疾患を抱えている人が挙げられます。

  • 糖尿病や高血圧などの生活習慣病の人
  • 腎臓病や肝臓病などの機能障害がある人

上記の疾患を抱えている人は免疫力や抵抗力が健康な人と比べて低下しており、インプラント治療後の治りが遅かったり、細菌による二次感染のリスクもあったりするためです。また健康状態に特に問題のない人でも、妊娠している人や未成年でまだあごの骨が完全に成長しきっていない人なども、インプラント治療は避けた方が良いでしょう。

インプラント治療をやり直す方法

インプラント治療のやり直しを行う際は、人によって方法や手段が異なります。ここでは、インプラントで再治療する方法とそれ以外で治療する方法を紹介します。

インプラントで再治療を行う方法

インプラントの再治療を行う一般的な流れは以下の通りです。

  1. インプラントを除去する
  2. 歯槽骨を再生させる
  3. 新しいインプラントを再度埋入する

まずは、交換しなければいけないインプラントの除去を行います。その際はインプラントの状態や骨との関係を考慮した上で、除去する方法を決定します。さらに、インプラント周囲炎などで隣接する骨が溶けてしまった場合は、インプラント支えるために必要な厚さや量を増やす骨造成などの治療を行い、歯槽骨を再生させなければいけません。骨が再生するまでは口腔内の状態を定期的にチェックしながら、問題なく再生できれば新しいインプラントを埋入可能です。

インプラント以外で再治療を行う方法

インプラントでの再治療が難しいケースでは、別の治療法を検討しなければいけません。方法としては、入れ歯による対応またはブリッジと呼ばれる治療法が考えられます。入れ歯とブリッジに共通している点としてはどちらも外科手術は不要であり、インプラント治療と比べて身体的かつ金銭的な負担が少ないことです。

入れ歯は、歯がない箇所の両隣にかけて金属のバネを固定して覆う方法です。インプラント治療を行えない人でも比較的容易に製作できる点はメリットでしょう。しかし、固定する金属のバネが見えてしまう可能性があり、審美性の観点ではインプラントには劣ります。

一方でブリッジとは、歯がない箇所の両隣の歯を削り、その上から製作した義歯を被せる方法です。審美性に関してはインプラントに近い仕上がりになりますが、健康な歯を削るリスクが伴う点や、咀嚼する際に支えている両隣の歯に負担がかかってしまう点はデメリットでしょう。

インプラント治療のやり直しにかかる費用

インプラント治療のやり直し費用は、人によって治療する範囲や度合いなどがさまざまであり、歯科医院によっても治療費が異なるため一概にはいえません。

またやり直しの費用だけなくCTの撮影費用や処置代、薬代などもかかってくることに加えて、インプラント治療の多くは保険適用外となるケースが多いため、治療費が高額になる可能性があります。

歯科医院によってはプラン料金となっていたり、ローンなどに対応していたりする場合もあるので、ホームページなどで確認をしてみましょう。

インプラント治療のやり直しを防ぐ4つのチェックポイント

インプラント治療のやり直しを防ぐには、第一にインプラント治療を失敗させないことです。インプラント治療においては歯科医師側に問題があって再治療となるケースもあるため、治療を受ける前には自分で歯科医院の情報を集めて確認しておく必要があります。主に以下の4つのチェックポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 担当歯科医師の症例数を確認する
  • 担当歯科医師の治療技術を確認する
  • 治療設備の充実さを確認する
  • 治療環境の衛生管理が問題ないか確認する

基本的にはホームページなどに掲載されている場合が多いため、確認してみてください。

ポイント①:担当歯科医師の症例数を確認する

担当歯科医師の症例数は、歯科医院を選択する上でも重要なポイントです。

症例数が多い=経験が豊富と捉えられるため、さまざまな状況にも適切に対応してもらえる可能性が高いでしょう。ただし、症例数が多い=治療技術が高いとはいえないケースもある点には注意が必要です。

ポイント②:担当歯科医師の治療技術を確認する

実際に治療を受けていないため、担当歯科医師の技術を確認することは困難ですが、目安になる情報としてホームページに記載してあるプロフィール欄の経歴などを確認すると良いでしょう。

例えば、国際インプラント学会や日本口腔インプラント学会などのホームページでは専門医、指導医を取っているか、インプラント学会の大会に参加しているかなどを確認できます。この場合も治療技術との直接的な因果関係はありませんが、積極的かつ常に新しい技術を身に付けていると間接的に把握できるため、一つの判断材料となり得るでしょう。

ポイント③:治療設備の充実さを確認する

治療設備の充実さも重要です。インプラント治療を行う上では事前の検査や診断の正確さが問われます。その際に適した設備がそろっていないと、受ける側も不安になってしまうでしょう。

設備が充実しているから問題がないというわけではありませんが、治療の信頼を高めるためには設備の充実さは欠かせないとも捉えられます。ホームページでもどのような機器を使用して治療を行うかなどが掲載されている場合もあるため、確認しておくと良いでしょう。

ポイント④:治療環境の衛生管理が問題ないか確認する

インプラント治療を行う際は、治療後の感染症などを防ぐために滅菌された専用の手術室で行わなければなりません。そのため、専用の手術室の有無やどのような対策を行っているかが分かるクリニックは信頼できるでしょう。

また過去には歯を削る医療機器の使い回しが問題となった事例もあった点も踏まえると、衛生面に配慮したクリニックかどうかが分かるだけで、細菌やウイルスによる感染リスクが少ないといえる指標にもなり得ます。

インプラント治療のやり直しは原則可能だが、骨や健康状態によっては不可能なケースも

インプラント治療のやり直しは原則可能ですが、骨量が少ない人や健康状態に問題がある人は医師側から断られるケースもあります。紹介したやり直しが必要なケースに当てはまる人は、そのまま放置してしまうとさまざまな歯のトラブルにつながる可能性があるため、早めの相談と治療を行う必要があるでしょう。

あきもと歯科では、豊富なインプラント治療経験から個々の歯の状態に合わせた適切な治療を提供しています。また最新の設備の使用や衛生管理も徹底しております。インプラント治療のやり直しから、その他のインプラント治療にも対応しているため、お気軽にお問い合わせください。

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