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インプラントは一度付けたら永久に保つ? 一般的な寿命やメンテナンス方法を解説
インプラントは入れ歯やブリッジと比べて持続性が高いですが、定期的な口腔ケアを怠ると寿命が短くなる場合があります。インプラントの寿命を延ばすためには、歯科医での定期検診に加えて毎日のケアが不可欠です。
今回は、インプラントは一度の治療で永久に保つのか、寿命を迎えるとどのような症状が現れるのかを解説します。
目次
インプラントは一度の治療で永久に保つ?
インプラントは一度の治療で永久に保つわけではありません。
どのくらい保つかは患者さんによって異なりますが、インプラントの一般的な寿命は10年〜15年です。厚生労働省の「歯科インプラント治療のためのQ&A」によると、10~15年後のインプラント生存率は上顎で90%程度、下顎で94%程度とされています(※)。
失った歯を補う治療法として入れ歯やブリッジがありますが、入れ歯の平均的な耐久期間期間は4~5年程度、ブリッジは7~8年程度です。インプラントは口内ケアを適切に行えば、10~15年以上使用できる場合があります。
※参考:厚生労働省.「歯科インプラント治療のためのQ&A」.”①インプラントの寿命について”.https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf ,(参照2024-11-27).
インプラントが寿命を迎えた場合に起こるトラブル
インプラントの寿命が来ると、以下のような症状が現れる可能性があります。
- そしゃく時に違和感や痛みがある
- インプラント周辺が腫れる
- インプラントが不安定になる
部品の上に被せる人工歯の損傷は、部分的な交換や修理で解決できますが、インプラント自体が歯茎から抜けそうな場合は再治療を行う必要があります。
寿命と思われる症状が現れたら、インプラント治療をしてもらった歯科医師に相談しましょう。保証期間内であれば無償で治療を受けられます。
ただし、定期検診を受けていない場合は自己責任だと判断され、無償で治療を受けられない可能性があります。治療を受けた歯科医院で確認してみましょう。
インプラントを半永久的に使うためにできること
インプラントは永久に使えるわけではありませんが、日々のメンテナンスや管理を徹底することでより長く使える可能性があります。
半永久的に使うためにできることは、以下の通りです。
- 定期検診でインプラントに問題がないか確認する
- 毎日の歯磨きを丁寧に行う
- たばこを控える
- 信頼できる歯科医師に治療をしてもらう
定期検診でインプラントに問題がないか確認する
インプラント治療後は、歯科医師の定期検診を受けましょう。
歯の汚れが蓄積されたりかみ合わせが悪くなったりすると、インプラントの状態にも影響が出ます。定期検診ではインプラントに問題がないか確認するだけでなく、毎日の歯磨きでは取れない歯の汚れを除去し、口内を清潔に保つためのケアを行います。
また、かみ合わせが悪いと顎の骨に負担をかけるため、必要に応じてマウスピースを作ってもらうと良いでしょう。
インプラントを長く使うためにも、定期検診は欠かさず受けることが大切です。
毎日の歯磨きを丁寧に行う
インプラント周囲炎を起こさないよう、毎日の歯磨きを丁寧に行いましょう。
インプラント周りに炎症が起こるインプラント周囲炎は、インプラントを脱落させるリスクを伴います。
歯磨きは、歯ブラシを歯と歯肉の間に45度に当て、優しく磨いてください。裏側も合忘れずに磨き、歯の隙間は歯間ブラシで汚れを取りましょう。
たばこを控える
たばこは歯茎の血流を悪化させ、インプラントと骨の接合を妨げる要素にもなるため、可能な限り抑えましょう。
インプラント周囲のトラブルが起こる原因の中には、喫煙も含まれています(※)。今すぐ禁煙するのが難しくても、吸う本数を少しずつ減らすよう意識しましょう。
※参考:厚生労働省.「歯科インプラント治療のためのQ&A」.”⑤歯周病はインプラント治療に影響するか”.https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf ,(参照2024-11-27).
信頼できる歯科医師に治療をしてもらう
インプラントを長く快適に保つためには、信頼できる歯科医師に治療をしてもらうのが大切です。
全ての歯科医師が優れた技術を持っているとは限りません。治療前にこれまでの実績や経験を確認し、適切な治療が受けられるか判断しましょう。
インプラント治療とは?
インプラント治療とは、顎の骨に埋め込んだ部品に人工歯を取り付け、本来の歯の機能を代替するための治療法です。主に、歯を失った方や歯が生えてこない方、歯の根元が割れている方などが治療を受けます。
治療には一回法と二回法があり、それぞれ以下の特徴があります。
- 一回法:インプラント体の埋め込みから人工歯装着までを一度で済ませる
- 二回法:インプラント体の埋め込み後、約3カ月間の治癒期間を設け、アパットメントと人工歯を装着する
一回法は治療が一度で済むため、二回法より体への負担が軽減されますが、顎の骨量が少ない方や骨が軟らかい方は二回法で治療を進めるケースがあります。
関連記事:インプラント一回法と二回法における違いとメリット・デメリット
インプラントを長く使うためにも定期的なメンテナンスを実施しよう
インプラントは10~15年保つといわれていますが、口内ケアや定期検診を怠ると持ちが悪くなる可能性があります。長期にわたってインプラントが正常の機能するよう、定期的に口内のメンテナンスを行いましょう。
あきもと歯科では、国際口腔インプラント日本支部認定医が皆さまの口内環境に合わせて適切なインプラント治療を提案します。また当院のインプラント治療では、10年後の生存率が高い素材の「ストローマンインプラント」を使用することも可能です。
インプラント治療をお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。
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