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インプラント治療はなぜ痛い?痛みの発生タイミング・原因と対処方法

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インプラント治療はなぜ痛い?痛みの発生タイミング・原因と対処方法

インプラント治療を受けたいものの、治療中の痛みを心配なさっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。インプラント治療には外科手術も含まれるため、どの程度の痛みが起こるのかをあらかじめ知っておきたいですよね。

そこで本記事では、インプラント治療において痛みが起こる場合のタイミングや、痛みを緩和する方法などを紹介します。インプラント治療が痛いのかどうかを知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療で痛みが起こるタイミング

インプラント治療中に痛みが起きるタイミングは5つに分けられます。

痛みが持続する期間と対処方法は次のとおりです。

【痛みが起きるタイミングと対処方法】

タイミング 痛みが出る期間 対処方法
手術中 麻酔を注射するとき
  • 麻酔方法を変更する
  • 麻酔を追加する
手術の直後 麻酔が切れたとき
  • 薬を服用する
  • 腫れている部分を冷却する
抜糸中 抜糸中〜直後
  • 表面麻酔を使用する
抜糸後 抜糸直後〜数日
  • 薬を服用する
  • 安静にする
手術完了から一定期間経過後 手術から数日後
  • 薬を服用する
  • 腫れている部分を冷却する
  • 安静にする
  • 検査を受ける
  • 炎症の治療をする

タイミング①インプラント手術中

インプラント手術は麻酔下で行うため、表面麻酔や局所麻酔をかけて痛みを感じないように管理します。

クリニックによっては静脈内鎮静法と呼ばれる方法で、局所麻酔よりも痛みを感じにくくするため、耐えがたい痛みの心配はほとんどありません。

痛みを感じる可能性があるケースとしては、静脈麻酔や局所麻酔を投与する際の注射です。
しかしその痛みも麻酔が注入されると目立たなくなっていくため、安全に手術に入ることができます。

タイミング②インプラント手術の直後

インプラント手術を終えてから麻酔が切れてくると、少しずつ痛みを感じることがあります。

骨自体に痛みを感じることはありませんが、歯茎を切開して処置を行う治療のため、穴を開けるために侵襲された歯肉などが炎症を起こして痛みが発生します。

手術直後はインプラント埋入部分の縫合も行うため、非常に腫れやすい状態になります。
抗生物質や鎮痛剤を服用し、腫れている部分を外側(頬の上)から冷却して安静に過ごしてください。

タイミング③抜糸中

インプラント手術から7日ほど経ったところで、縫合した部分の抜糸を行います。
同時に傷口の経過観察と、インプラントが正常に埋め込めているかの確認も行います。

抜糸では患部から糸を引き抜くため、やや違和感や痛みを覚えるかもしれません。
耐えがたいほどの痛みを感じる心配はありませんが、抜糸中に何らかの痛みや出血がある場合は表面麻酔が使えないか、医師に尋ねてみてください。

タイミング④抜糸後

抜糸の後はすでに傷口も塞がってきており、回復に向かっています。
この段階で痛みが出るケースはほとんどありませんが、万が一痛みや腫れがあるときは、かかりつけ医に相談してください。

抜糸後も、治療部分に強い衝撃が加わると傷口が開きやすくなったり痛みが発生したりする可能性があります。

治療をした部分で固いものや尖ったものを噛む、歯ブラシを強く当ててこするのは避けましょう。
傷口が裂けないように、術後4週間程度は患部に直接触れないことをおすすめします。

タイミング⑤手術完了から一定期間経過後

手術から一定の時間が経過すると、傷口は塞がり元のように目立たなくなります。

治療部分が再度腫れてくるようであれば、インプラント治療を行ったクリニックで確認や検査を受けてください。
一定時間が経過すると、通常であれば薬の服用や冷却の必要はありません。

ただし、「インプラント周囲炎」とよばれる症状が発生したときは注意が必要です。
インプラント周囲炎とは、インプラントを埋め込んだ部分を取り巻いている歯茎が歯周病菌によって炎症を起こした状態です。

口の中にいる歯周病菌が増殖し、歯垢が残った部分に集まると、そこを中心に歯周病が発生しやすくなります。

インプラントを埋め込んだ部分は天然歯のように虫歯にはならないため、痛みや違和感が少なく、磨き残しを放置しやすいのです。

人工歯(上部構造)と歯茎の間に歯周ポケットができると、そこに歯周病菌が入り込むため、インプラント歯周炎になることがあります。
インプラント周囲炎は歯茎の赤み・腫れ・痛み・出血が発生し、少しずつ歯茎が下がってきてインプラントを固定できなくなっていきます。

症状がある場合は鎮痛剤を服用し、痛みのある箇所を冷却して早めにクリニックに相談してください。

インプラント治療後の痛みはいつまで続くのか

インプラント治療の痛みは、手術から数日で少しずつ引いていきます。
約1〜2週間で痛みらしい痛みはほとんど感じなくなります。

治療直後はもっとも腫れやすい状態ですが、痛みや腫れの程度には個人差があります。

術後は処方された抗生物質や鎮痛剤を用量通りに服用し、医師の指示にしたがって入浴や激しい運動を控えながら安静に過ごしてください。

インプラント治療の痛みを抑える麻酔法の種類

インプラント治療中の痛みを抑えるために、以下の麻酔が使用されます。

【インプラント治療に使われる麻酔】

種類 効果
表面麻酔 歯茎の表面に感じる痛みを軽減する
局所麻酔 神経に作用し手術の痛みを軽減する
静脈麻酔 感覚を鈍らせて痛みや恐怖心を軽減する

次に、局所麻酔法と鎮静法(静脈内鎮静法)の用途を紹介します。

種類①局所麻酔法

局所麻酔法は、インプラント治療において一般的に用いられる麻酔法です。
手術する部分に麻酔薬を直接投与して、痛みを感じない状態に抑えます。

麻酔が効いているあいだは神経が麻痺しているため、激しい痛みを感じない状態でインプラントの埋め込みや上部構造の取り付けを行います。

麻酔の投与には注射器が使われ、「浸潤麻酔(通常の虫歯治療で行う歯茎にちくりと打つタイプ)」や「伝達麻酔(神経の根元に打つタイプ)」といった方法が用いられます。
効果は浸潤麻酔で2〜3時間、伝達麻酔は6〜8時間持続し、麻酔効果が続いているときは痛みを感じません。

種類②鎮静法

鎮静法は、静脈内鎮静法とも呼ばれています。
局所麻酔だけでは不安な場合に、局所麻酔と組み合わせて適用される麻酔法です。

静脈注射で体内に薬剤を投与すると、恐怖心が和らいでリラックス効果が得られます。

意識がある状態が苦手な方、手術に過度な緊張感がある方に適しており、パニックになりやすい方にもおすすめの方法です。
全身麻酔のように意識を失うものではありませんが、意識を残しながらも眠っているような感覚に陥るため、局所麻酔との組み合わせに適しています。

インプラント治療後に痛みが生じる原因

インプラント治療後に痛みが生じる原因として、インプラント埋入による痛みと、インプラント周囲炎の2種類が考えられます。

インプラント埋入による痛みは、治療部分の傷口が痛む場合です。
顎の骨に痛みを感じることはありませんが、切開した部分が治りきっていないと痛みが出る可能性があります。

インプラント周囲炎は、人工歯である上部構造の周りを取り巻いている歯肉が歯周炎や歯周病になるトラブルです。
こちらはインプラントを埋め込んでから、インプラントの周りに汚れが溜まってくると起きやすくなります。
歯茎の赤みや腫れが徐々に進行し、出血や排膿から歯肉退縮が起こります。

インプラント治療後の痛みを緩和する応急処置の方法

インプラント治療後に痛みが起きたときは、鎮痛剤や抗生物質を用法・用量どおりに服用し、安静に過ごしましょう。

それでも痛みが続くときは、痛みがある部分を外側からタオルやハンカチで冷やしてください。
冷却は患者様自身でできる応急処置ですが、外側から軽く冷やす程度にとどめましょう。

激しい痛みがあるときはすぐにかかりつけのクリニックにご相談ください。

インプラント治療完了後に痛みを予防するために押さえておきたいポイント

治療後の痛みを緩和するためには、5つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント①喫煙を控える

インプラント治療後は、可能なかぎり喫煙を控えるようにしてください。

タバコに含まれる化学物質は体内の白血球の免疫力を低下させる働きがあり、喫煙によって血液中の酸素の運搬効率が低下して、歯周組織に酸素や栄養が行き届きにくくなります。

炎症部分の悪化、感染症にかかるリスクを考えて、喫煙をされている方は禁煙や減煙を意識しましょう。

ポイント②飲酒を控える

飲酒をすると、アルコールによって血流が促進されます。
手術後は歯茎が腫れやすい状態で、ここにアルコールの働きが加わるとさらに血流が速くなり、血液が固まりづらくなります。
血流が促進されると、傷口が塞がりにくくなってしまうのです。

飲酒によって水分が体から抜けると脱水症状になり、唾液の分泌量が減ってお口の中の自浄作用が低下するおそれもあります。

ポイント③なるべく柔らかいものを食べる

治療後、4週間程度は治療した部分で硬いものを噛まないようにしましょう。硬いものだけではなく、弾力や厚みのあるもの、尖ったものも避けてください。

食事をするときは治療した箇所とは反対側で噛むようにして、完全に治癒してから通常どおりの食事に戻るようにしましょう。

ポイント④患部に歯ブラシを当てないように気をつける

手術直後から数日はデリケートな状態が続きます。

痛みや腫れが続き、刺激にも弱いため、歯ブラシや歯間ブラシは使用せず、激しいうがいもしないようにしましょう(治療した箇所を刺激しない程度のやさしいうがいは問題ありません)。

抜糸をしてからもしばらく痛みが続く可能性があるため、治療した箇所が完全に治癒するまでは歯ブラシを直接当てないようにしてください。

ポイント⑤お風呂を控える

アルコールと同じく、血流が促進されると傷口の治りが悪くなるため、入浴やサウナの利用は控えましょう。

入浴は手術から2〜3日が経過してから可能になります。

痛みや腫れが引かないときは、1週間ほど様子をみながらシャワーで対応してください。

ポイント⑥運動を控える

運動も、入浴やアルコールと同じく血流を促進してしまいます。

ストレッチやウォーキングのような軽い運動でも血行が良くなることで痛みや腫れが持続するおそれがあるため、術後数日は運動を控えるようにしてください。

信頼できるクリニックの選び方

信頼できるクリニックを探すときは、次のポイントごとに比較することをおすすめします。

【信頼できるクリニックの選び方】

  • 執刀医の経歴や実績
  • インプラントの専門医である
  • 口腔外科の設備が整っている
  • インプラントの設備が整っている
  • インプラントの症例数が豊富
  • 質疑応答を丁寧に行っている
  • 骨造成や歯肉移植に対応している

治療を受ける前に、執刀医(担当医)が歯科口腔外科を専門としている、あるいはインプラントの専門医や指導医であるといった経歴を確認してみてください。

インプラントの専門学会に所属し、新しい知識や技術を取り入れようと努力していることも、医師を探す際の参考にできます。

クリニック内に口腔外科やインプラント治療に特化した設備があること、手術室やその他の検査機器が揃っていることも確認しておくと安心です。

質問や悩みに丁寧に答えているか、骨造成や歯肉移植が必要になったときに対応してもらえるかも、クリニック選びの際に重視したいポイントです。

インプラント治療後の痛みはさまざまな工夫で抑えることができる

今回は、インプラント治療で痛みが起きるタイミングと対処方法を紹介しました。
痛みを感じる原因とタイミングはさまざまですが、手術中は麻酔を使用するため、痛みを感じにくくすることができます。

局所麻酔だけでは不安があり、さらに痛みに対処したい方は表面麻酔や鎮静法も併用可能です(クリニックにご相談ください)。

インプラント治療後の痛みは、薬の服用と冷却、安静に過ごすことで軽減できます。
術後の痛みを軽くするためにも、喫煙・飲酒・運動といった習慣は控えるようにしてください。

あきもと歯科は、患者様のニーズに寄り添い、個々の口腔状況に合わせた最適な治療法をご提案しております。
歯の不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

横浜のインプラント治療なら「あきもと歯科」

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