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インプラントのメンテナンスが必要な理由は?
費用の目安や寿命を伸ばすために心がけたいこと

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インプラントのメンテナンスが必要な理由は?費用の目安や寿命を伸ばすために心がけたいこと

インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。インプラントをしている人や治療を検討している人の中には、メンテナンスの必要性や正しいメンテナンス方法が分からないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、インプラントのメンテナンスにかかる費用の目安や治療の流れ、寿命を伸ばすためのポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

インプラント後のメンテナンスの必要性

インプラントを入れた後は定期的にメンテナンスする必要があります。まずは、インプラントの寿命の目安や注意点、メンテナンス方法や頻度について解説します。

インプラントの寿命は?

インプラントの寿命は10~15年程度とされており、残存率は90~95%が一般的です。ただし、メンテナンスの頻度などによって、インプラントの寿命は変わるため、あくまでも目安にしておきましょう。

インプラントの寿命は、ブリッジや入れ歯などの装着器具と比較しても長い傾向があります。一般的にブリッジの寿命は7~8年程度、入れ歯は4~5年程度です。

また、ブリッジや入れ歯は、口を開けると金具部分が見える、歯茎から入れ歯が浮くなどのデメリットがあります。一方で、インプラントは素材の種類によっては、天然歯のような高い審美性を確保できます。

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インプラント歯周炎に注意

インプラントは人工歯であるため虫歯の心配はなくなります。ただし、歯周炎になりやすくなるため注意が必要です。インプラントのメンテナンスや歯磨きなどの日々のデンタルケアを怠ると歯周炎につながりやすくなります。

歯周炎とは、インプラント周辺の歯茎や骨が炎症を起こす病気です。一般的に、インプラント歯周炎やインプラント周囲炎などと呼ばれています。インプラント歯周炎になると以下のような症状が現れます。

  • 歯茎が腫れる
  • 歯茎に痛みが出る
  • 歯茎から出血する
  • インプラントを支える骨を溶かす

インプラント歯周炎になりやすい原因は、インプラントの歯に天然歯を支える歯根膜がないからです。したがって、インプラント歯周炎を予防するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。

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インプラントのメンテナンス方法と頻度

インプラントのメンテナンスは、いつ、どのような方法で行うべきなのでしょうか。インプラントは、歯を支えるための金属製のインプラント体を骨に直接埋め込むため、天然歯に比べて根元のへこみが大きくなる傾向があります。根元のへこみが大きいほど歯磨きがしにくくなります。

自分でできるメンテナンス方法は、毎日こまめに歯磨きを行うことです。正しい方法で歯磨きをしなければ、歯と歯茎の間に食べかすが蓄積し、繁殖した細菌が侵入して歯周炎を引き起こす恐れがあります。インプラントの歯をきれいに磨くためにもクリニックで正しい指導を受けておくことが大切です。

また歯磨きだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどの使用もおすすめです。さらに年1~2回程度は、かかりつけの歯科医院でメンテナンスするのが好ましいです。適切な頻度で正しいメンテナンスを行い、インプラントの寿命を伸ばしましょう。

インプラントのメンテナンスにかかる費用は?

インプラントのメンテナンスにはどの位の費用がかかるのか、気になる人もいるでしょう。ここでは、インプラント後のメンテナンス費用をくわしく解説します。

インプラントのメンテナンスは基本的に保険適用外

インプラントは自由診療に該当するため、治療後のメンテナンス費用は基本的に保険適用外です。ただし、大学病院の口腔外科や歯科などの特定の医療機関で治療を受けた場合は保険が適用されるケースもあります。

歯科によって異なりますが、一般的にインプラントのメンテナンスにかかる費用は、3,300~11,000円程度です。メンテナンスの内容によって、さらに高額になる場合もあります。

保証期間内にインプラントが破損するなど、修理が必要になった場合の費用が無料になる保証を付けているインプラントメーカーも珍しくありません。インプラントのメンテナンス費用は医療費控除の対象になることもあります。対象になるケースは以下の項目で解説します。

控除対象となるメンテナンスの費用

控除対象となるメンテナンスの費用

インプラントのメンテナンスにかかる費用は、医療費控除を受けられるケースがあります。医療費控除とは所得控除の一種で、支払った医療費の一部が戻ってくる制度です。ただし、全ての医療費が控除の対象になるわけではありません。

1月1日〜12月31日までに支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、控除の対象になります。医療費控除の上限は、200万円です。インプラント治療にかかる費用のうち、控除の対象になる医療費は、以下のとおりです。

  • 金などの一般的な歯科治療で用いられる材料を使用したインプラントの治療費
  • ケガや病気、生まれつきなどの理由で、欠損した歯を補うための治療費
  • デンタルローンやクレジットカードを利用して支払った医療費
  • 歯科医院などの病院への通院時にかかった公共交通機関の運賃

歯科医院でのインプラントメンテナンスの流れ

インプラントのメンテナンスは、どのような流れで行われるのでしょうか。ここでは、一般的な歯科医院で行われるインプラントのメンテナンスの流れを4つの手順に分けて解説します。

1.口腔内のチェック

インプラントのメンテナンスは、口腔内の状態を知るためのチェックから始まります。具体的には、歯科医師や歯科衛生士が次のようなことを目視で確認しています。

  • インプラントのぐらつきの有無
  • 歯茎の炎症の有無
  • 歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さ
  • 噛み合わせにずれはないか
  • 歯石などがなく、清潔な状態が保たれているか
  • 人工歯とインプラント体の連結に不具合や破損がないか など

噛み合わせにずれが出ていないかは、色付きのカーボン紙を数回噛むことでチェックできます。噛み合わせにずれが生じている場合は、人工歯を削るなどして噛み合わせを正常に戻します。

2.レントゲンによる確認

目視で確認できないものはレントゲンを使用するケースがあります。レントゲン画像で確認できるのは、インプラントを埋め込んだ歯槽骨の炎症、骨吸収の状態や周辺の骨の状態などです。そのほかには、インプラント以外の天然歯に虫歯ができていないか、歯石が溜まっていないかなどの確認が行われます。

上の奥歯にインプラントを入れた場合は、上顎洞炎の疑いがないかの確認も行われます。上顎洞炎とは、上の奥歯の上部にある鼻腔内の空洞に炎症ができる病気です。従来は、上顎洞に膿が溜まることから蓄膿症と呼ばれていました。虫歯や歯周病を放置すると細菌が上顎洞に侵入して炎症を引き起こします。

3.PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

インプラントなどの確認後は、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)が行われます。PMTCとは、専用の機器を使用した歯のクリーニングの略語です。通常の歯磨きでの除去が難しい歯垢などを落とすために必要な工程です。

具体的には、水と塩をパウダー状にした超微細な粒子を歯の表面に吹き付けて洗浄します。PMTCを行った場合、バイオフィルムと呼ばれる長時間付着した着色や細菌などを除去できるため口腔内を清潔に保つ効果が得られます。

汚れが落とせない場合は人工歯を外してから洗浄作業が行われるケースも多いです。トラブルが生じた場合に備えて、安全性の高い光殺菌治療ができる半導体レーザーを導入するなど、充実したサポート体制を整えている歯科医院もあります。

4.歯磨き指導

歯科衛生士から正しいブラッシング方法の指導があります。例えば、以下のような確認や説明が行われます。

  • 歯磨きの正しい手順や方法の説明
  • デンタルフロスや歯間ブラシの使用方法
  • 磨き残しがある場所の確認
  • 自宅でのメンテナンスにおすすめのケア用品の提案

メンテナンスで歯磨き指導が行われるのは、インプラントや人工歯はもちろん、天然歯の寿命を伸ばすためです。また、磨き残しがあるなどの歯磨きの癖を指摘してもらうこともできるため、自分の口腔内の状態に合わせたブラッシング方法を把握できます。インプラントや歯の寿命を延ばすためにも適切なブラッシング方法を学び、口腔内を清潔に保ちましょう。

インプラントのメンテナンス以外で心がけたいこと

インプラントのメンテナンス以外で心がけたいこと

インプラントをできるだけ長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。ただし、メンテナンス以外にも心がけておくべきことがあります。そこで、インプラントの寿命を伸ばすために心がけたいことについて解説します。

喫煙習慣の見直し

インプラントの寿命をできるだけ伸ばすために喫煙習慣を見直しましょう。インプラントの治療の成功率は、喫煙習慣の有無に左右される場合があります。喫煙習慣がある人は歯槽骨にインプラント体が結合しにくくなります。

手術が成功してインプラントが結合しても、歯周病を発症しやすくなり、結果的にインプラントの寿命が短くなってしまいます。喫煙の習慣がある人は、口腔内の健康を保ちつつ寿命を伸ばすために禁煙を検討しましょう。

歯ぎしりの軽減

歯ぎしりは人工歯に大きな負担をかけてしまいます。人工歯は天然歯に比べて衝撃に弱い素材で加工されています。歯ぎしりだけでなく、歯を食いしばるような動作を頻繁に行えば、人工歯やインプラントに強い負荷がかかり、歯や部品が破損したり、インプラント歯周炎を引き起こしたりするため注意が必要です。

歯ぎしりから人工歯やインプラントを守るためには、睡眠時に歯に装着するナイトガードやボトックス注射などの対策が有効です。歯ぎしりや歯を食いしばる癖がある場合は、歯科医院に相談してみましょう。

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まとめ

審美性を目的にしたインプラントは自由診療に当たるため、治療にかかる全ての費用を自己負担しなければなりません。ただし、ケガや病気などで欠損した歯を治療するなど、一定の条件を満たしている場合は保険が適用されます。

しかし、インプラントにかかる費用は高額になるため、できるだけ寿命を伸ばすために定期的なメンテナンスを正しく行うことが大切です。あきもと歯科では、インプラント埋入後5年間の保証を付けています。定期的なメンテナンスも行っているため、インプラント治療を検討している方はぜひご相談ください。

横浜のインプラント治療なら「あきもと歯科」

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