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インプラントと差し歯どっちを選ぶべき?
違いや寿命・メリット・デメリットなどを解説

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インプラントと差し歯どっちを選ぶべき?違いや寿命・メリット・デメリットなどを解説

歯周病や虫歯など、さまざまな原因で歯を失うケースがあります。失った歯をカバーする方法としてインプラントや差し歯が挙げられますが、違いが分からないという人も少なくありません。しかし、インプラントと差し歯は別物です。違いをしっかりと把握し、自分に合った方法を選択しましょう。

この記事では、インプラントと差し歯の違いを解説します。それぞれのメリットやデメリット、治療の流れなども合わせて解説するのでぜひ参考にしてください。

インプラントと差し歯の違い

インプラントも差し歯も、失った歯を補うための治療方法です。自分に合った治療を選ぶためにも、両者の違いについてしっかりと理解しておきましょう。

インプラント 差し歯
対象 抜歯などで歯の根っこ(歯根)がなくなっている人 歯根が残っている人
噛む力 天然の歯と同じぐらい 天然の歯とほぼ同じ(過度な負担には注意が必要)
審美性 良い 素材や場所によって異なる(保険適用外の方が審美性は高い)
治療期間 3~6カ月程度 1~2カ月程度
治療費 自由診療 素材によって、保険適用か自由診療かを選択する

このように、対象となる条件やものを噛む力、見た目などに大きな違いがあります。また、歯の状況によって選べる治療方法も異なるため注意しましょう。以下では、インプラントと差し歯の主な特徴を紹介します。

関連記事:インプラント治療の費用相場は?

インプラントの特徴

インプラントは、歯の根っこ(歯根)まで失ってしまった場合に行われる治療方法です。インプラントの場合、すべて人工歯であることが特徴です。人工歯根を埋め込んで、その上からセラミックなどでできた歯の部分を被せて治療します。インプラントは、歯根がない状態で選ばれる治療方法のため、歯根が残っている場合は抜歯後に行います。

インプラントの治療期間は口の中の状態によっても異なります。骨がある場合は、治療に3〜6カ月程度かかることが一般的です。しかし、骨が少ない場合には治療期間が長くなり、7〜13カ月程度かかってしまうケースもあります。

インプラントは自由診療となるため保険適用外となり、治療費は全額自己負担になります。インプラント1本あたり、20〜40万円程度が治療費の相場です。

関連記事:インプラントとは?概要・メリットデメリット・リスクなどの基礎知識

インプラントの特徴

差し歯の特徴

差し歯は歯の根っこが残っていて、歯根が使える状態の時に選ばれる治療方法です。歯根は残っている天然歯を使い、土台の被せものは人工歯を使用します。被せ物にはさまざまな種類があり、選ぶ素材で審美性が異なります。

差し歯は歯根がある=抜歯前の治療だと覚えておくとよいでしょう。そのため、完璧に歯が抜けてしまって歯根がない場合には選択できない治療方法です。

治療期間はおよそ1〜2カ月となっており、インプラントよりも治療期間は短くなります。費用は選ぶ素材や治療箇所によって異なります。保険適用の差し歯は1本あたり3千〜1万円程度、自由診療の差し歯は1本あたり4~20万円程度が相場です。

インプラントのメリット・デメリット

他の治療方法と同様にインプラントにもメリットとデメリットがあります。インプラントを検討している場合はしっかりと把握しておきましょう。

メリット

インプラントの大きなメリットは、天然歯のような噛み心地が得られることです。インプラントは歯を歯根から固定できます。そのため、食べ物を噛んだ際にも、違和感や異物感が少ないです。

成人の場合、ものを噛む際に10〜30kgほどの負担がかかるといわれています。インプラントは噛む力も天然歯と変わらないため、硬い食べ物も問題なく噛めるでしょう。

また、天然歯のような自然な見た目で審美性にも優れています。そのため、会話する際にも歯を気にすることなく自然に話したり笑ったりできます。装着する際に隣の歯を削ったり土台にしたりしないため、周囲の歯への影響が少ない点もメリットです。

抜歯したり歯が抜けたりして歯根がない人、天然歯と同じような感覚で使用したい人、見た目が自然なものがいいという場合はインプラントが向いています。

デメリット

インプラントのデメリットは治療費が高額になることです。インプラントは自由診療のため保険適用外です。そのため、治療をする際には全額自己負担となり、経済的な負担が大きくなるでしょう。

治療する場所などにもよりますが、1本あたり20〜40万円程度かかるとされており、複数の歯をインプラント治療する場合には多くの金額がかかります。ただし、医療費控除を申請することで、所得控除が受けられるため利用しましょう。

また、インプラントは手術が必要です。インプラントの場合は人工歯根を埋め込まなければいけないため、身体的な負担もかかります。清潔な状態を保たなければ炎症を起こす可能性もあるため、メンテナンスを定期的に行うことが大切です。

関連記事:インプラントの6つのトラブルを原因と対策方法を解説

差し歯のメリット・デメリット

差し歯は歯根が残っている場合に選べる治療方法です。歯根が残っている場合は、差し歯での治療を検討するケースも多いでしょう。差し歯にもメリットとデメリットがあるため治療を選ぶ前にしっかりと理解しておくことが大切です。

メリット

差し歯は、インプラントのような大掛かりな手術などが必要なく、比較的簡単に治療できることがメリットです。治療期間も短くて済むため、できるだけ早く治療したい人にも向いています。

差し歯は素材によっては公的保険が適用されるため、安価で治療できる点もメリットです。例えば、銀歯や硬質レジンなどは保険適用で治療可能で3割負担で済むため、経済的負担も軽くなるでしょう。保険適用外の素材は治療費が高くなりますが、見た目が自然で強度も高くなります。

このように、差し歯は自分で保険適用の治療か自由診療かを選ぶことが可能です。できるだけ費用負担を軽くしたい、自然な見た目の差し歯にしたいというように、それぞれの要望に対応できる点もメリットでしょう。

関連記事:奥歯のインプラント治療の特徴とメリット・デメリットを解説

デメリット

差し歯は、素材によって目立ちやすいことがデメリットです。保険適用である銀歯や硬質レジンは安価で治療できますが、その分差し歯だと分かりやすく目立ってしまいます。特に前歯などの目につきやすい部分は差し歯であることが分かりやすいため、気になってしまう人もいるでしょう。

陶器(セラミック)やジルコニアなど、保険適応外の素材を選ぶと自然な見た目になります。ただし、全額自己負担となるため経済的負担は大きくなってしまうでしょう。また、残っている歯の根っこが薄かったり細かったりする場合、歯根が割れてしまう可能性があります。

インプラントと差し歯の治療の流れ

インプラントや差し歯の治療をする際には、どのような流れで行うのでしょうか。以下では、インプラントと差し歯それぞれの治療の一般的な流れについて解説します。ただし、症状や治療方法、クリニックによって異なる部分もあります。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れは、以下の通りです。

  1. 初診・カウンセリング
  2. 診断・精密検査
  3. インプラント体(人工歯根)の埋め込み手術
  4. インプラント体と顎骨が結合するのを待つ
  5. 被せ物の装着
  6. 定期メンテナンスを行う

まずは初診で歯科医に気になる症状を相談し、治療の前にカウンセリングでインプラント治療の流れや内容、治療のリスクなどについて詳しい説明を受けます。その後、施術前に詳しい精密検査を行い、骨の厚さや血管の場所などを確認します。

その後は、歯茎を切開してインプラント体の埋め込み手術を行い、骨と結合するのを待って被せ物を装着するといった流れです。インプラントは清潔な状態を保たなければならないため、施術後も定期メンテナンスを行う必要があります。

関連記事:インプラント治療の期間や通院回数、完了までの流れは?

差し歯治療の流れ

差し歯の治療の主な流れは以下の通りです。

  1. 診断・検査
  2. 虫歯部分を削る
  3. 歯根の治療をする
  4. 土台を入れる
  5. 被せものを装着する
  6. 定期メンテナンスを行う

差し歯の場合もインプラントと同様、まずは歯科医に気になる症状の相談をして、差し歯治療の方法や回数などについて説明を受けます。その後、触診や視診、エックス線検査などを行います。

虫歯がある場合には、虫歯の治療をしなければなりません。虫歯の治療が完了した後は歯根の治療を行いますが、歯根の治療は重症度などによって治療期間が異なります。

歯根の治療が終わったら、土台を入れて差し歯の型取りをします。差し歯ができたら装着し、噛み合わせをチェック、定期メンテナンスに移行するといった流れです。

差し歯治療の流れ

インプラントと差し歯の寿命は?

インプラントと差し歯の寿命はどのくらいなのか気になる人も多いでしょう。そこで、インプラントと差し歯における一般的な寿命の目安を解説します。

インプラントの寿命は長い

インプラントの平均寿命は10〜15年程度だといわれています。ただし、インプラント治療をした人のうち、90%程度の人が約10〜15年経った後もインプラントの状態を維持しているとされています。メンテナンス次第では、もっと長持ちするケースも少なくありません。

インプラントは抜歯を伴う治療方法の中でも寿命が長いとされているため、できるだけ長持ちさせたいという人にもおすすめです。

差し歯の寿命はケースによって寿命が異なる

差し歯の平均寿命は、保険適用の素材か自由診療の素材かによっても異なります。保険適用の差し歯の場合は平均寿命が5~8年程度と短めです。

一方、自由診療の差し歯の場合は平均寿命が10〜20年程度と保険適用のケースよりも長くなります。一般的に自由診療の素材は強度が高いものが多く、長持ちするケースが多いようです。そのため、差し歯を長持ちさせたい場合は、自由診療を選択するケースもあります。

ただし、自由診療でも噛み合わせや歯根の状態が悪い場合は寿命が短くなる可能性があります。治療する場所によっても寿命は異なるため、気になる場合は歯科医に確認してみましょう。

まとめ

インプラントと差し歯はどちらも歯を失った場合の治療方法です。インプラントは歯根がない場合、差し歯は歯根が残っている場合の治療方法になるため、どちらの治療方法を使えるか歯科医に確認が必要です。

あきもと歯科では、精密診断を実施しお客様それぞれに最適な治療を提供します。保険診療からインプラントなどの専門性の高い治療まで行えるため、歯のトラブルでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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