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インプラントとセラミックの違いを解説!選び方のポイントも
「インプラントとセラミック、どっちがいいの?」「メリットとデメリットが知りたい」といった方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、インプラントとセラミックそれぞれの治療法の特徴、各メリット・デメリットについて、横浜市の歯医者・あきもと歯科が詳しく解説しています。
また、選ぶときのポイントについても触れているため、インプラントとセラミックで迷っている方はぜひ参考にしてください。
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インプラントとセラミックの違い
まずは、インプラントとセラミックの違いを表で確認していきましょう。
特徴/種類 | インプラント | セラミック |
治療方法 | インプラント体を埋め込み人工歯を装着する治療 | 詰め物・被せ物による治療 |
費用相場 | 300,000〜400,000円程度 | 詰め物:40,000〜70,000円 被せ物:70,000〜180,000円 |
治療期間 | 3ヶ月〜1年程度 | 3〜4週間 |
インプラントは、歯根が失われた場合に適用される治療法で、顎の骨にインプラント体を埋め込む外科手術が必要です。最低でも約3ヶ月の治療期間が必要とされ、費用も高額で300,000円〜400,000円程度かかることが一般的です。
一方で、セラミック治療は外科手術を必要とせず、削った後の歯の型を取ってセラミックを製作し、歯に装着します。治療期間は短く、通常は3回程度の通院で完了します。
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インプラントによる治療
インプラント治療は、歯を失った箇所に人工的な歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。国内外の多くのメーカーから、さまざまな種類のインプラントが提供されており、それぞれ特徴や対応症例が異なります。
インプラントの構造や素材
インプラントの基本的な構造は、人工歯根(フィクスチャー)、人工歯(上部構造)、そしてこれらを結びつける土台(アバットメント)から成り立っています。人工歯根と土台の組み合わせには「ワンピースタイプ」と「ツーピースタイプ」があり、それぞれメリットと適用症例が異なります。
主に使用される素材は「チタン」で、骨との結合が良好でアレルギー反応が少ないのが特徴です。
ワンピースタイプ
ワンピースタイプのインプラントでは、人工歯根と土台が一体化しています。そのため、手術が1回で済むことが大きなメリットといえます。使用する部品が少ないため、費用も比較的抑えられます。
また、ワンピースタイプでは、人工歯根と土台のネジが緩む心配がないため、安定性が高いのも特徴。ただし、適応症例が限られており、顎の骨の量が十分でない場合は、埋入が難しい可能性があります。また、土台に角度を付けることができないため、人工歯根を埋め込んだ方向に、人工歯の形態が影響されてしまいます。
ツーピースタイプ
ツーピースタイプのインプラントは、人工歯根と土台をネジで固定するタイプです。このタイプは、審美性を重視する場合に適しており、口内の状態に合わせて適切な土台を選択することができます。
また。万が一インプラントに衝撃が加わった場合、土台のネジが折れて骨やインプラント自体への衝撃を減らすことができます。トラブルが生じた場合にも土台の交換が可能です。ツーピースタイプは部品が多く、費用が高くなる傾向があり、症例によっては2回の手術が必要になることがあります。
インプラントの寿命
インプラントの寿命は、埋入する部位やメンテナンスの有無、歯科医師の技術などにより異なります。一般的に、10〜15年の累積生存率は上顎で約90%、下顎で約94%といった数字が挙げられています。
※参照元:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のための Q&A
インプラントのメリット
インプラントのメリットは、主に以下の4点です。
【メリット】
- 審美面で優れている
- 咀嚼機能が回復して天然歯と同じ感覚で噛める
- 顎の骨が痩せるのを防ぐ
- 口の骨が痩せるのを防ぐ
インプラントは審美的に優れている点が大きな魅力です。天然歯と見分けがつかないほどの自然な見た目を実現し、周囲の人からもばれにくいでしょう。セラミックやジルコニアなどの高品質な素材を使用し、天然歯に近い色味と透明感を再現しています。
さらに、咀嚼機能の回復にも大きく貢献します。顎の骨に直接装着されるため、入れ歯やブリッジと比べ咀嚼力が落ちることが少なく、天然歯と同じ感覚で食事を楽しむことができます。これにより、周囲の健康な歯への負担も軽減され、口内全体の健康状態を維持するのに役立ちます。
また、顎の骨や口の骨が痩せるのを防ぐ点もメリットです。咀嚼時の力が直接骨に伝わるため、骨の健康を維持し、老け顔の原因となる顎の骨の痩せを防ぎます。
インプラントのデメリット
一方で、デメリットも無視できません。インプラントで考えられるデメリットは、主に以下の3点です。
【デメリット】
- 健康保険の適用対象外
- 外科/手術が必要
- 治療期間が長い
最も大きなデメリットは、保険適用外の自由診療であるため治療費が高額になることです。国内の平均治療費は1本あたり数十万円とされ、入れ歯やブリッジと比べると経済的な負担が大きくなります。
また、外科手術が必要である点も考慮する必要があります。インプラント手術は、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む複雑な手術であり、身体への負担が大きいです。さらに感染症のリスクも伴います。
そのほか、治療期間が長い点もデメリットの一つです。骨への結合を待つ治癒期間が必要で、最終的な人工歯が装着されるまでに、数ヶ月から1年近くかかることもあります。
セラミックのメリットとデメリット
セラミック治療は、虫歯や外傷などで歯を部分的に失った場合に、欠けた部分を補う目的で行われる歯科治療法です。詰め物と被せ物の2種類があり、美しさや耐久性を追求する場合に適しています。
セラミックの構造や種類
セラミック治療には、「セラミックインレー(詰め物)」と「セラミッククラウン(被せ物)」の2種類が存在します。セラミッククラウンは、さらに以下の3種類に分けられます。
【セラミッククラウンの種類】
- ラミネートベニア
- メタルボンド
- オールセラミック
3つのタイプの違いについて、詳しく見ていきましょう。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは歯の表面を薄く削り、その上に薄いセラミックを貼り付ける治療法です。特にホワイトニングやわずかな歯間の隙間を埋める目的で用いられますが、健康な歯を削るため、虫歯や知覚過敏のリスクがあります。
メタルボンド
メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物で、特に奥歯など噛み合わせに負担がかかる箇所に適しています。金属部分が見える可能性があるものの、耐久性に優れているのが特徴です。
オールセラミック
オールセラミックは金属を使用していないため、金属アレルギーの方にも安心です。審美性が高く、長期間にわたり色の変色が少ないことが特徴です。
セラミックの寿命
セラミックの寿命は、耐久性、審美性、被せている歯の健康状態、これら3点から考えられます。ジルコニア素材のセラミックは特に耐久性が高いとされています。
セラミック自体の変色の心配はなく、審美性を長期間保てます。ただし、年数が経つにつれて歯茎が下がり、歯とセラミックの境目が露出することがあるでしょう。個人差はありますが、10年で問題が生じる人もいれば、30年経っても問題ない人もいます。
セラミックのメリット
セラミックの主なメリットは、以下の3点が挙げられます。
【メリット】
- 自然な見た目で白さが長持ちする
- 金属アレルギーの心配がない
- 歯茎の黒ずみが起こりにくい
セラミックは審美性に優れており、天然歯と同等またはそれ以上に美しく見せることができます。金属を一切使用しない治療も可能で、金属アレルギーの方にも安心です。また、汚れがつきにくいのもメリットです。
セラミックのデメリット
デメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
【デメリット】
- 治療費が高額になる
- 衝撃に弱いため割れやすい
- 二次虫歯のリスクがある
- セラミックと天然歯の境目に段差が生じる
保険適用外の自由診療であるため、治療費は高くなりますが、医療費控除の対象になる場合があります。また、奥歯の虫歯治療でセラミックの詰め物を使用する場合、割れやすいのもデメリットになります。
そのほか、長く使用するとセラミックと天然歯の境目に段差が生じることもデメリットです。理由としては、ジルコニアはすり減らないのに対し、天然歯はすり減ってしまうためです。
インプラントとセラミックを選ぶポイント
インプラントとセラミックは、それぞれに異なる特徴と適用条件があります。ここでは、自分に適した治療法を選択する際に、重要なポイントをご紹介します。
【ポイント】
- 歯根の有無
- 前歯を治療する場合
- 金属アレルギーの有無
インプラントかセラミックで迷っている方は、以下の解説を参考にしてください。
ポイント①歯根の有無
インプラントは、歯根ごと失われた場合の治療法です。歯根がない状態では、セラミック治療は選択肢に入りません。逆に、歯根が残っている場合は、セラミックを用いて詰め物や被せ物を作ることが可能です。しかし、歯根が残っていても、何らかの理由で抜歯が必要な場合は、インプラントが適しています。
ポイント②前歯を治療する場合
顔の中で最も目立つ前歯の欠損に対する治療では、インプラントとセラミックの組み合わせが採用されることがあります。インプラントで歯根部を再生し、その上にセラミッククラウンを被せることで、自然な色味や形を再現することが可能です。この方法は、健康な歯を削ることなく、美しい歯並びを実現してくれます。
ポイント③金属アレルギーの有無
金属アレルギーの有無も重要な選択基準です。一般的なインプラントにはチタンが使用されており、アレルギー反応が比較的少ないとされていますが、まれにアレルギー反応を示す場合もあります。そのような場合、セラミック治療が適しています。
また、ジルコニアインプラントといった、金属を一切使用しないインプラントも存在しますが、提供するクリニックはまだ多くありません。
メリットとデメリットを理解して選択しよう
いかがでしたでしょうか。インプラントとセラミックは、治療法において大きな違いがあり、それぞれメリットとデメリットがあることを理解していただけたかと思います。
2つの治療を検討している場合、まずはクリニックにて口腔内を確認してもらい、医師と相談しながら選択するのがベストです。慎重に検討した上で、治療に入りましょう。
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