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大人になって前歯が抜けたら? 原因や対処法を解説
大人になってから前歯が抜けてしまう原因は、虫歯や歯周病、けが、事故などさまざまです。けがや事故で前歯が抜けた場合、応急処置として抜けた歯を生理食塩水や冷たい牛乳に漬けることで元に戻せる可能性があります。また入れ歯やブリッジ、インプラントでも治療可能です。
前歯の喪失は、見た目の変化以上に健康にもさまざまな影響を及ぼします。本記事では、大人になって前歯が抜ける原因に触れた上で、前歯が抜けたときの対処法や治療方法について解説します。
大人の前歯が抜ける主な原因
前歯が抜けた場合の対策を知る前に、なぜ大人の前歯が抜けてしまうのか原因を把握しておきましょう。大人の前歯が抜けてしまう主な原因として以下が挙げられます。
- 虫歯や歯周病
- けがや事故による損傷
虫歯や歯周病
大人の前歯が抜ける理由の一つが虫歯です。虫歯が進行すると歯が抜けてしまう可能性がありますが、歯周病よりも強い痛みを感じるため、歯が抜けるほど放置するケースは珍しいといえるでしょう。
歯周病も虫歯と同じく、前歯が抜けてしまう原因です。歯周病は初期段階では痛みが少なく、進行するまで気付かない人もいます。歯周病が進行していくと歯茎や顎の骨といった歯を支える部分が破壊され、抜け落ちてしまいます。公益財団法人8020推進財団の発表によれば、歯が抜けてしまった原因として最多の37.1%を占めているのが歯周病です。特に年齢が進むにつれて歯周病によって歯が抜ける人が増加傾向にあります(※)。
※参考:公益財団法人8020推進財団.「歯を失う原因の第1位は歯周病!」https://www.8020zaidan.or.jp/hatarakizakari/02.html ,(参照 2024-09-26).
けがや事故による損傷
けがや事故によっても前歯が抜けることがあります。例えば、スポーツ中のアクシデントで前歯に強い衝撃を受け、歯が取れてしまうケースなどが考えられるでしょう。けがや事故による歯の損傷は年齢を問わず起こる可能性があり、特に前歯に起きやすいとされています。
抜けた前歯を放置するリスク
抜けた前歯を放置すると次のようなリスクにつながる恐れがあります。
- 周囲の歯への悪影響
- 肩こりや頭痛の原因
- 認知症への影響
- ストレスの増加や見た目の老化
周囲の歯への悪影響
抜けた前歯を放置するリスクの一つが周囲の歯への悪影響です。歯が抜けてしまうと抜けていない歯を使う機会が増え、負担が増していきます。その結果、将来的に周囲の歯が抜け落ちる可能性が高まります。
肩こりや頭痛の原因
抜けた歯の放置が肩こりや頭痛につながることがあります。この原因はかみ合わせの悪化によるものです。これは本来であれば隣同士の歯や上下の歯がかみ合うことでバランスが維持されています。しかし、一部分の歯が抜けると、このバランスが崩れてしまうのです。
かみ合わせが悪化すると顎の筋肉に負担がかかり、緊張しやすくなります。顎の筋肉は肩とつながっているため、肩の筋肉まで緊張すると肩こりや頭痛につながる場合があります。
認知症への影響
前歯の喪失によるかみ合わせの悪化は、認知機能に影響を与える可能性があるといわれています。通常、しっかりとかむことは脳への良い刺激となります。これはそしゃくによる脳血流の増加や脳のさまざまな部位が活性化するためです。
しかし前歯が抜けてかみ合わせが悪くなると、食事の際に十分にかめなくなり、かむ回数が減少してしまいます。その結果、脳への刺激が減り長期的には認知機能の低下につながる可能性があります。
ストレスの増加や見た目の老化
前歯は奥歯よりも人の目に入りやすい歯です。そのため抜けた前歯を放置していると、周囲の目が気になり日常生活でストレスを抱きやすくなります。
また歯が抜けたことでかみ合わせが悪化すると、特定の場所にばかり力がかかってしまいます。その結果、筋肉のバランスが悪化しシワやたるみなどの見た目の老化につながる恐れもあるでしょう。
前歯が抜けた場合の応急処置
先述の通り、前歯が抜けてしまう原因にけがや事故が挙げられます。その場合、次のような応急処置を講じることで元に戻せる可能性があります。
- 止血しておく
- 抜けた歯を生理食塩水や冷たい牛乳に漬けておく
止血しておく
前歯の抜けた部分から出血があれば、ガーゼやティッシュペーパーをかんで止血をしましょう。止血の際は清潔なガーゼ、ティッシュペーパーの使用がポイントです。
多くの場合、ガーゼやティッシュペーパーを用いれば十数分で血が止まります。それでも血が止まらない場合は、冷たいタオルで頬を冷やせば、血管の収縮による止血効果が期待できます。
抜けた歯を生理食塩水や冷たい牛乳に漬けておく
止血を終えたら、抜けた歯を生理食塩水や冷たい牛乳に漬けておきましょう。歯には歯根膜と呼ばれる、再生に必要な組織が残っています。この組織は乾燥に弱いため、時間が経過するごとに劣化していきます。しかし生理食塩水や冷たい牛乳に漬けることで劣化のスピードを抑えることが可能です。生理食塩水や冷たい牛乳に漬けたらすぐに歯科医院を受診することで、抜けた歯であっても戻せる可能性があります。
なお抜けた歯が床や地面に落ちてしまった場合は、歯が傷付かないように軽く洗い流しましょう。ごしごしと洗うと歯根膜が落ちる可能性があるため、優しく洗うことがポイントです。
抜けた前歯の治療法
前歯が抜けてしまった場合、一般的に用いられる治療法は次の通りです。
- 入れ歯治療
- ブリッジ治療
- インプラント治療
ここではそれぞれの治療法について解説します。
入れ歯治療
前歯が抜けた場合、入れ歯治療を行うことがあります。入れ歯の種類は次の2種類です。
- 部分入れ歯
- 総入れ歯
部分入れ歯は、一部の歯が欠けて周囲に健康な歯がある場合に用いられる傾向にあります。一方、抜けた歯だけでなく多くの歯が失われている際に用いられるのが総入れ歯です。
ブリッジ治療
ブリッジ治療とは抜けた歯の両隣を削って土台にし、義歯を上から被せる治療法です。部分入れ歯は針金でとめるのに対して、ブリッジは被せ物のためナチュラルな見た目を実現できます。しかし用いる素材によっては色味が自然な歯と異なって見えることがあります。ナチュラルな見た目に近づけるのであれば、保険適用外の素材を用いましょう。
インプラント治療
インプラント治療は、歯が抜けた部分の骨に人工の歯根を埋め込み土台を載せ、歯を被せる治療法です。インプラント治療は入れ歯やブリッジ治療とは異なり、自然な歯のように見える上に、耐久性も高いのが特徴です。入れ歯治療やブリッジ治療の場合、一定期間が経過すると劣化しやすくなりますが、インプラント治療であればより長期間審美性を保てます。
しかしインプラント治療は外科手術が必要な上に保険適用外の自由診療のため、治療費が高くなる傾向にあります。
自分に合った治療法の選び方
入れ歯治療やブリッジ治療、インプラント治療といった中から自分に合った治療法を選ぶには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。
- 費用で選ぶ
- 見た目で選ぶ
- メンテナンスのしやすさで選ぶ
- 治療期間で選ぶ
- 自分の体質で選ぶ
費用で選ぶ
入れ歯治療、ブリッジ治療、インプラント治療を選ぶ場合、保険適用かどうかが費用に大きく関わります。入れ歯とブリッジの場合、用いる材質によっては保険適用となり、費用を抑えられます。一方、インプラントは用いる材質に関わらず基本的に保険適用外です。そのため、前歯が抜けた場合の治療にかかる費用を抑えたいという場合は、入れ歯かブリッジがおすすめです。
見た目で選ぶ
前歯は奥歯よりも人の目に入りやすいため、見た目で治療法を選ぶケースもあります。部分入れ歯の場合、金属のワイヤーを歯に掛けるため、他の治療法よりも周囲の目が気になってしまう人もいるでしょう。またブリッジであっても素材によっては、周囲の歯の色と比べて違和感が生まれてしまいます。見た目にこだわって欠損した前歯をカバーするのであれば、インプラントを検討しましょう。
治療期間で選ぶ
抜けた前歯の治療法の中でも、治療期間が長いのがインプラント、治療期間が短いのが入れ歯です。ブリッジであれば一般的に入れ歯より治療期間が長く、インプラントより治療期間が短くなります。インプラントは治療期間が長くなるものの、耐久性も他の2つの治療法よりも長いため、治療期間や耐久性のバランスを考慮して治療法を選ぶと良いでしょう。
自分の体質で選ぶ
入れ歯やブリッジによる治療では、外科手術は行いません。一方、インプラントの治療では骨に歯根を埋め込むため外科手術が必要です。体にメスを入れたくない人は、外科手術が必要なインプラントではなく、入れ歯やブリッジを選択しましょう。また外科手術に抵抗がなくても、以下に該当する状態の人はインプラント治療を受けられない可能性があります。
- がん
- 心筋梗塞
- 骨粗しょう症
- 糖尿病
- 妊娠中
服用している薬によってもインプラント治療が受けられない可能性があります。心配な場合は、主治医に相談してみましょう。
大人になって前歯が抜けた場合はすぐに歯科医に相談しよう
大人になって前歯が抜けてしまう原因には、虫歯や歯周病、けがや事故が挙げられます。万が一、けがや事故で前歯が抜けたのであれば、止血をした上で抜けた歯を生理食塩水や冷たい牛乳に漬けておくことで元に戻る可能性があります。一方、虫歯や歯周病によって歯が抜けてしまった場合、入れ歯やブリッジ、インプラントなどから適切な治療を受けましょう。入れ歯、ブリッジ、インプラントの治療にかかる費用や期間はそれぞれ異なるため、自分に合った治療法を選択するのが大切です。
あきもと歯科では保険診療はもちろん、保険適用外のインプラント治療まで細やかな治療を提供しています。インプラント治療に精通した国際口腔インプラント学会日本支部認定医が丁寧な説明の上、治療をします。抜けた前歯の治療でお悩みの方はご相談ください。
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